テクニカルサポートの基本的な問い合わせ方法は、電話あるいはメールである。メールでは、なかなか意図が伝わらない場合も多いし、電話では伝えられる情報量が少ないという問題がある。今回は、どのような時に電話を使用し、どのような時にメールを使用すべきかについて述べていく。なお、ウェブサイトを使用した問い合わせや、チャットによる問い合わせができるサービスを提供している場合があるが、ここでは電話およびメールにフォーカスして述べる。まず始めに、電話およびメールがテクニカルサポートでどのように処理されていくのかについて述べていく。
1.電話への処理方法
テクニカルサポートでは、巨大なヘルプデスクのような自動化されたシステムとまではいかないまでも、電話が掛かってきてからエンジニアが対応を行うまでの一連のコールを管理するシステムを使用している。PBXは、一般的に導入されているが、そのほかにコール対応向けの多機能電話やコールセンター用のシステム等が導入されている。また、IVR(Interactive Voice Response)やACD(Automatic Call Distribution)を用いることで、あらかじめユーザーからの問い合わせ内容を分類し、適切なエンジニアに問い合わせを割り振ることができる。
IPテレフォニーの利用によるコスト削減やさまざまなルーティング機能を用いた処理を行っているところもある。特に、24時間365日のコールセンター運営を行うためには、分散したコールセンターでの運用や海外のコールセンターとの協調した運営を行う必要がある。そのためには、IPテレフォニーが使用され、また、ワークフロー制御も可能なシステムが導入されている。さらに、CTI(Computer Telephony Integration)技術を利用することにより、問い合わせ処理と問い合わせ管理データベースとの統合を行い、幅広い管理・サービスの提供ができるようになっている場合もある。
実際にコールを受けるエンジニアにとって特に有効なのは、コールフローの制御である。コールを割り振る優先順位を設定することにより、エンジニアのスキルや役割に応じた効率的なコールの割り当てができるようになっている。コールを受けていない時間のコントロールもできるため、コールの後処理中や休養中には電話がかからず、他の対応可能なエンジニアに割り振られるような設定も可能になっている。
2.メールへの処理方法
テクニカルサポートにおいて、メール対応用の自動化されたシステムを使用しているところは少ないと思われる。もちろん、CRMを使用して、問い合わせや顧客管理をしながら、メールの送信・受信をCRMのツールから自動的に実行するようにしている場合もある。一方、問い合わせ専用のメールボックスを用意し、そのメールボックスを使用したメールを送受信しているという場合が多い。
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