[テクニカルサポートとの付き合い方]

プレミアサポートの利用方法(第9回)

2009年9月9日(水)諸角 昌宏

テクニカルサポートでは、標準的なサポートに加えてプレミアサポートを提供しているところが多い。より多くのお金をかければより良いサービスが受けられるというのは当然のことだ。だが、本当にかけたお金だけのサービスを受けられているのであろうか。ここではプレミアサポートの概要を説明するとともに、どのように利用すべきかを述べていく。

1. 24時間365日対応

通常のテクニカルサポートを勤務時間対応のみとし、プレミアサポートとして24時間365日対応とするメーカーが多い。特に、ミッションクリティカルな環境で使用しているユーザーにとっては、24時間365日でテクニカルサポートが対応できることは必須であり、通常はプレミアサポートを契約する。ここで注意しなければいけないのは、24時間365日対応といっても、勤務時間外の夜間や休日に対応してもらえるのは、緊急度の高いシビラティ1あるいはシビラティ2(シビラティ:重大度や深刻度の意。数字が若いほど重大度が高い。詳細は[node:1096,title="第4回"]参照)の問い合わせのみに限定している場合が多いということである。もちろん、メーカーによっては24時間365日フルサポートというところもあるが、こちらはかなりのリソースやコストを必要とするため、提供しているところは少ない。シビラティ1あるいは2のみの勤務時間外対応なのか24時間365日フル対応なのかは、事前に確認しておきたい。

2. アカウント担当の設置

プレミアサポートの場合、ユーザー専任のアカウント担当を置く。アカウント担当は、以下のようなことを行う。

  • ユーザーとの定例ミーティングを実施する
  • ユーザーの使用環境やネットワーク構成などを事前に把握し、障害発生時に速やかに対応できるようにする
  • ユーザーからの問い合わせ状況を管理し、定期的に状況を報告する
  • ユーザーに対して、バージョンアップの情報やリリース時期の提供、新機能情報、新製品情報といった事前情報(プロアクティブ情報)を発信する
  • そのほかユーザーと密に連絡を取り、さまざまな情報交換を行う

なお、専任のアカウント担当とはいうものの、1人で1社のみを見るわけではなく、数社を見るのが普通である。もちろん、非常にレベルの高いプレミアサポートの場合には1人1社ということもあるが、非常に高価なものとなる。

3. ホットラインの提供、優先順位の高い対応

プレミアサポートの場合、通常の問い合わせ窓口のほかにプレミアサポート専用の問い合わせ窓口がある。これにより、プレミアサポートからの問い合わせであるか通常サポートの問い合わせであるかを分離して処理している。プレミアサポートの問い合わせ窓口からは、直接スキルの高いエンジニアにつながるようになっている場合もあり、対応がスムーズに進みやすいようになっている。たとえば、通常サポートの問い合わせ窓口はTier1のエンジニアにつながるようになっているが、プレミアサポートの問い合わせ窓口はTier2のエンジニアにつながる、といった形である。

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