[市場動向]

ネットスイート、中堅企業向けSaaS型ERPの拡販にらみ富士通と提携

2009年9月18日(金)IT Leaders編集部

ネットスイートは2009年8月5日、同社がSaaS形式で提供するERPアプリケーション「NetSuite-Release J」の販売業務において、富士通および富士通ビジネスシステム(FJB)と提携した。

ネットスイートは、富士通とFJBの営業担当者向けに技術指導を実施する。富士通とFJBは、NetSuite-Release Jを中堅・中小企業に向けて販売。導入時のコンサルティングやインテグレーション、導入後のサポートも提供する。このほか、ユーザーニーズを集約して米ネットスイートにフィードバックし、日本向けの機能を拡充させる計画もある。

2006年4月に日本に進出したものの、同じSaaSベンダーであるセールスフォース・ドットコムに大きく水をあけられた感があるネットスイートにとって、営業力強化は急務だ。富士通は、中堅企業向けビジネスのてこ入れやSaaS事業への本格参入を図りたい。こうした両者の思惑が合致し、今回の提携に至った。

一方、FJBは2009年10月に富士通の完全子会社となり、中堅向けERPパッケージ「GLOVIA smart」の販売・製品開発機能を担うことが決まっている。同社はネットスイートとの提携により、中堅企業のニーズにパッケージとSaaSの両面で応じる体制を整えられる。

ネットスイート社長の田村元氏は、NetSuite-Release Jの販売目標として「今後3年間で、600社に導入することを目指す。このうち富士通、FJBとの共同営業による新規顧客は500社を見込む」と明言。富士通グループの営業力を生かして巻き返す構えを見せた。

気になるのは、富士通は2009年5月にセールスフォース・ドットコムと販売契約を締結済みであること。今後、同社が2つの米系SaaSをどのように売り分けていくかを注視したい。

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