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富士通、費用や期間を抑え企業貢献度の高いシステム開発に向け要件定義の新手法を確立

2009年10月8日(木)

富士通は2009年10月7日、システム開発において顧客のビジネス要求をシステム機能に落とし込む「要件定義」の工程に関し、本質的な3点の課題を根本的に解決するための3つの方法論を「新要件定義手法」として確立し、同社が手がけるシステム開発に適用を開始することを発表した。

発表によれば、同社はシステム開発・保守などを年間約2万件手がけており、それらの実績を分析することにより、要件定義における本質的な3つの課題を導き出した。そして、課題を解決するための3つの方法を「新要件定義手法」として確立し、それを具現化するためのデータベースやワークシートを開発したとのこと。

同社が導き出した要件定義の課題は、以下の3点。

  1. 要件の目的や要件を決めるべき役割のあいまいさの排除
  2. 経営層・業務部門・情報システム部門における納得性の高い合意形成
  3. 要件を洗練させ、十分な検討を経た上で期限内に確定させるマネジメント

これらの課題を解決するための新要件定義手法は、以下の3つの方法論から構成される。

1. 要件の構造化
各要件を3つの役割(「経営層」「業務部門」「情報システム部門」)および「目的」と「手段」の繰り返し構造で整理し、5つの階層に要件を構造化する。この構造化によって、役割ごとに定義すべき要件、部門間で合意すべき要件が明らかになり、要件のあいまいさが排除される。

2. 因果関係からみた要件の可視化
1.で構造化した要件の関連を一目で把握することのできるワークシートを用意する。それによって要件の充分性、妥当性などを客観的に分析できるようになり、納得性の高い合意形成や優先順位づけによる要件の絞り込みに利用できる。

3. 要件を成熟させるプロセス
要件定義の作業を、経営層・業務部門・情報システム部門の間、関連する業務部門間、部門内の部門長・担当者間といった合意形成のための5つのフェーズ、12のタスクに分け、タスクごとに利害関係者間の合意形成を調整するための作業を定義する。各タスク完了時に、各要件の検討度合いを38の評価軸で評価することにより、要件の成熟度を把握し、適切なタイミングでの対策をとることによって、要件の確定にいたる過程をコントロールし、期限内に検討を収束させることが可能になる。

同社では、新要件定義手法によるメリットとして、以下の3点を挙げている。

  • 費用や期間を抑え企業貢献度の高いシステム開発を実現可能:要件の優先順位をつけたり、重要な要件に絞り込むことができるため、システム規模の膨張を抑えながら、効果的なシステムを開発できる。
  • 設計、開発、テスト、運用工程における手戻りを予防:要件の妥当性や実現性などを要件定義の段階で検証しながら進めることができる。
  • 全体最適の視点で利害関係者の納得性が高いシステムを開発:経営層や業務部門のビジネス要求とシステム機能の因果関係をトータルに可視化し捉えることができるため、各関係者にとって納得性の高いシステムを開発できる。

今後は、新要件定義手法を用いることで、要件定義ドキュメントの記述ルールが守られているかどうかという形式的な品質(「形式品質」)だけでなく、要件の妥当性、ビジネスへの貢献度などの内容面での品質(「内容品質」)を確保することを目指す。それにより、経営や業務が求める真の目的に合ったシステムづくりを強力に支援していくとしている。

富士通
http://jp.fujitsu.com/

 

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