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「オラクル-サンの連合でIBMに真っ向勝負」―エリソン、マクニーリ両氏がOpenWorld 2009基調講演で強調

Oracle OpenWorld 2009

2009年11月11日(水)鳥越 武史(IT Leaders編集部)

2009年10月11〜15日、米オラクルは年次イベント「Oracle OpenWorld 2009」をサンフランシスコで開催した。初日の基調講演には、同社CEO(最高経営責任者)のラリー・エリソン氏と、買収に合意した米サン・マイクロシステムズの会長兼共同設立者スコット・マクニーリ氏が登壇するとあって、会場のモスコーンセンターは朝から熱気に包まれた。

基調講演に立つラリー・エリソン氏。IBMへの対抗軸形成を訴えた 基調講演に立つラリー・エリソン氏。IBMへの対抗軸形成を訴えた

米オラクルが毎年開催している総合イベントのOracle OpenWorld(OOW)。今年4月に発表したサン・マイクロシステムズの買収合意を受け、今回のOOW 2009では、エリソン、マクニーリの両氏の発言に会場の注目が集まった。

イベントの初日、基調講演の口火を切ったのは、サンのマクニーリ氏だ。冒頭、サンがこれまでに生み出してきた、「SPARC 」「Soralis」「Java」といった10のキーテクノロジーについて言及。特に、Javaについては「これほど早く広く普及した技術はほかにない」と、その存在感と意義を会場に語気強く訴えた。

後半は、オラクルによる買収後に、サンの製品やテクノロジがどう位置付けられるかという話題を展開。エリソン氏との間で、製品・テクノロジ戦略について緊密に話し合ってきたという同氏は、「ラリーはSPARC やSolaris、MySQL、Javaといった主要な製品・テクノロジは今後も開発を続けると明言している。特にSolarisには、現在よりもより多くの開発資金を注入する意向だ」と明かした。

さらに、サンの首脳陣が詳細を補った。「Javaがオラクルのテクノロジの1つとなることに心配はしていない。オラクルのスタッフはよく調査し、理解しているという印象だ」(サン副社長兼フェローで、Javaの生みの親として知られるジェームス・ゴスリン氏)。「SPARCとSolarisの組み合わせは、SAPやHyperionなど主要なアプリケーションの性能ベンチマークテストで軒並みナンバーワンを獲得している。メモリーアクセス最適化技術やフラッシュメモリーストレージなどの採用が、サンのプラットフォームの優位性をもたらしている」(エグゼクティブバイスプレジデントであるジョン・フォーラー氏)。

MySQLにも投資を増やす

続いて基調講演に立ったのがエリソン氏。今後の存続が注目されるMySQLについて、「MySQLは非常に良い製品。オラクルはこれまでもオープンソースのDBエンジンを開発するinnobaseなどを買収し、投資も増加させてきた。MySQLについても投資を増加させる」と述べると、会場から歓声が沸き起こった。

講演の大半は、IBMへの対抗心をあらわにした内容となった。「サンの買収は、ソフトウェアだけでは限界があると判断したからだ。サンとオラクルの製品・テクノロジを融合することによって、IBMに打ち勝っていくことができる」(エリソン氏)。

具体論として、エリソン氏はDBのパフォーマンスに関するベンチマークテストの結果を話題にした。IBMのDB2を、同社の「Power 595」サーバー75台で稼働させるシステムと、Oracle Database 11gをサンの「SPARC Enterprise T5400」サーバー9台で稼働させるシステムのパフォーマンスを比較。「オラクル-サンの方が、IBMに対して4分の1の電力消費量で26%速い処理速度を達成し、トランザクション処理時間については16分の1となった」(同氏)。このように随所に数字を交えながら、IBM対抗軸としての論拠を熱心に訴える内容に終始した。

(鳥越武史=サンフランシスコ)

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