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成田国際空港、空港運用を支える運航情報管理システム「NARCⅢ」を再構築

2009年11月5日(木)IT Leaders編集部

富士通は2009年11月4日、成田国際空港における航空機の離着陸予定などの運航情報を一括管理する運航情報管理システム「NARCⅢ(ナーク スリー)」を、空港全般の運用管理を行う成田国際空港株式会社(NAA)と共に再構築したことを発表した。

NAAでは、2002年4月より供用しているB滑走路を2180mから2500mへ延伸するための工事を実施し、2009年10月に2500mのB滑走路を供用開始している。それによって、2010年3月には空港全体の年間発着回数が20万回から22万回に増えると予想されることから、今回の「NARCⅢ」の再構築で運用管理を強化したとのこと。

今回、富士通は、運航情報管理システム「NARC」(Narita Airport Ramp Control System)を、年間発着回数の増加に対応させるとともに、大型汎用機システム「NARCⅡ」から、オープン系システムとして同社のUNIXサーバー「SPARC Enterprise」を活用した「NARCⅢ」へと刷新した。それにより、大型汎用機の技術者減少による次世代への技術ノウハウ継承問題を解決可能としたほか、システムの操作性を改善して、悪天候による運航トラブル発生時に事態を早急に収束できるようするなどの機能強化や業務効率化を図った。

NARCは、NAAの基幹システムとして、成田国際空港を離着陸するすべての航空機運航の予定情報、現在情報、実績情報を一貫して把握し、安全で円滑な空港運用を支援している。またNARCは、エプロン(飛行場の中で乗員・乗客の乗降、貨物の積み下ろし、燃料の補給、点検整備などのために航空機を駐機する場所のこと)エリアでの航空機の移動を支援する「ランプワークステーション」と、航空機の駐機場所である「スポット」の管理をする「スポット割当管理システム」という2つのシステムとそれぞれ情報連携している。

「ランプワークステーション」は、成田国際空港において航空機の地上移動(スポットと滑走路間の移動)の管理を行う「ランプコントローラー」と呼ばれるNAA社員が、航空機を移動管理するときに使用する「運航票(ストリップカード)」という紙のカードをシステム化したもの。他システムとの情報連携が一時的に途絶えても独立して稼働できるなど、他システムにトラブルが発生した場合でも業務の継続を図れるようシステム化されているNAA独自のシステムで、同システムも富士通が構築の支援をしたとのこと。

NAAでは、「安全」をすべてに優先するものとし徹底的して追求していることに加え、空港の利用者が満足できるサービスの提供も目指している。富士通は、NARCⅢの信頼性を最優先に、より使いやすいシステムを構築し、これからもNAAの空港運用を支援し続けていくとしている。

成田国際空港公式サイト
http://www.narita-airport.jp/jp/

成田国際空港(NAA)
http://www.naa.jp/jp/

富士通
http://jp.fujitsu.com/

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