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リバーベッドがWAN高速化ソフト新版、2010年に仮想アプライアンス版も提供

2009年12月9日(水)IT Leaders編集部

WAN高速化装置を手がけるリバーベッドテクノロジーは2009年12月9日、ソフトウエア新版を発表するとともに、2010年から仮想アプライアンス版のWAN仮想化装置を投入することを明らかにした。遠隔拠点に設置するエッジ用途向けに既存のハードウエアアプライアンス製品を位置付けつつ、パブリッククラウドなどのデータセンター側に設置した仮想アプライアンスを従量制で利用できる環境を構築する考え。

 リバーベッドテクノロジーが発表した新ソフトは、遠隔拠点同士をつなぐゲートウエイ・サーバー向けWAN仮想化ソフトの新版「RiOS 6.0」と、モバイルノートPCから遠隔接続する際に使うクライアントソフト型のWAN高速化ソフト新版「Steelhead Mobile 3.0」である。このうちRiOSは、一部OEM供給を除いて、ラックマウント型PCサーバーと組み合わせたアプライアンス「Steelhead」として同社から提供している。

 RiOS 6.0を搭載したSteelheadとSteelhead Mobile 3.0は、いずれも2009年12月中旬から販売を開始する。それぞれの参考価格は、Steelheadが、2008年9月に出荷した新モデル群「XX50シリーズ」で約90万円程度から。Steelhead Mobile 3.0が、専用の管理アプライアンス「Mobile Controller」1台に30人同時利用ライセンスが付属して230万円(税別)。開発会社は、米Riverbed Technorogy。

基本性能と使い勝手を向上

 RiOS 6.0(Steelhead)は、WANを介した遠隔拠点間のアプリケーション通信を高速化する装置である。TCPコネクション集約やウインドウ・サイズ拡大、データ・キャッシュ/圧縮といったネットワークの高速化を中核に、ファイル共有やグループウエアなど特定アプリケーション向けのラウンド・トリップ抑制機能などを組み合わせている。今回の新版では、高速化対象のアプリケーションを拡充したほか、画像やWebページなどのオブジェクト単位でのキャッシュを可能にした。

 Steelhead Mobile 3.0は、ノートPCにインストールして使うクライアントソフトであり、外出先から社内にWAN経由でアクセスする際の通信を高速化する。通信相手は、社内に設置したSteelheadとなる。今回の新版では、社内に設置したSteelheadとの間でキャッシュデータを同期する機能「Branch Warming」を追加した。オフライン時にキャッシュしたデータをSteelheadに反映したり、外出前にSteelheadからキャッシュデータをコピーするといった運用が可能になる。

遠隔エッジに仮想化プラットフォーム設置、クラウドで仮想アプライアンス利用

 2010年に提供を開始する仮想アプライアンス版のWAN仮想化装置の名称は「Virtual Steelhead」。各種のサーバー仮想化ソフトの上で動作し、パブリック・クラウドなどで利用する。ハードウエアアプライアンスである現行のSteelheadを補完する位置付け。

 RiOS(Steelhead)はこれまでも、仮想アプライアンスとは異なるアプローチでサーバー仮想化技術を積極的に取り入れてきた。具体的には、米VMwareの技術をベースとしたサーバー仮想化機構「RSP」(Riverbed Steelhead Appliances)を用意している。RSPにより、VMware仮想サーバー(各種の仮想アプライアンス)を動作させるプラットフォームとしてSteelheadを利用できるようになる。

 RiOS(WAN仮想化ソフト)自身は、仮想アプライアンスの形態にはなっていない。仮想アプライアンス型のWAN仮想化装置としては、2010年に提供を開始するVirtual Steelheadが初となる。

 SteelheadとVirtual Steelheadの使い分けを示している。まず、遠隔拠点にはSteelheadを配置する。理由は、各種のサーバー・ソフト(DHCPサーバーやウイルス対策、WAN高速化機能など)を動作させるためにハードウエアプラットフォームが必要になる、というもの。このうえで、パブリッククラウドには、サーバーのプロビジョニングが容易な仮想アプライアンスを用意する。

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アプライアンス / WAN高速化 / 仮想アプライアンス / Riverbed Technology

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