[インタビュー]

「中立性の維持と海外展開力が強み、金融向けに注力」 DC事業者米エクイニクス日本法人の古田代表

2010年2月2日(火)IT Leaders編集部

インプレスビジネスメディアは2010年1月27日、データセンター事業者である米エクイニクスの日本法人、エクイニクス・ジャパンで代表取締役を務める古田敬氏にインタビューし、同社の事業戦略を聞いた。古田氏は2009年12月に代表に就任した。

エクイニクス・ジャパン代表取締役の古田 敬氏
写真1:エクイニクス・ジャパン代表取締役の古田 敬氏

 当社は米カリフォルニア州パロアルトで1998年に設立した老舗のデータセンター事業者だ。現在、北米やヨーロッパ、アジア地域の10カ国18都市、45カ所にデータセンターを保有している。日本には2002年に進出した。顧客はワールドワイドで2500社に及び、主要顧客にはグーグルやIBMといった大手企業が顔を並べる。

 当社の主要事業は、サーバーの設置スペースと電力・通信インフラを提供するコロケーションサービス(ハウジング)だ。特に通信インフラに強みを持っており、インターネットサービスプロバイダー(ISP)などが相互接続のために当社のサービスを利用している。

 我々の特徴は、特定のシステム事業者や通信事業者などに偏らない中立性だ。通信キャリア系のデータセンターを利用する場合、各社が保有する通信網の使用を強いられることは少なくない。これに対し、当社は主要キャリアの通信回線の中から顧客が自由に選択できる。

 ホスティングはせずハウジングのみに事業ドメインを特化させているのも、中立性重視の考え方を反映したものだ。ホスティングのように事業者の指定したハードウェアやソフトウェアに限定されることなく、顧客は自由にシステムを構成できる。

 グローバル展開の実績とノウハウが評価され、多国籍企業の利用も多い。例えばトラブル情報を世界中で共有する体制が整っていることなどが強みだ。各国のデータセンターで起こったトラブル情報は、世界各国のエグゼクティブクラスや運用担当者にメールで通知する仕組みを持っている。

 例えばパリのデータセンターでトラブルが発生すれば、私の携帯電話でトラブル内容と深刻度が確認できる。トラブルへの対応事例を蓄積したナレッジベースも構築済みだ。こうした取り組みが、世界展開するユーザー企業の信頼を得る土台になっている。

 業種別に見ると金融業界からの引き合いが強くなっている。特に金融取引所では、マイクロ秒単位での取り引きの遅延が大きな影響を及ぼすこともあり、通信インフラの信頼性を求める声は強い。そこで、取引所と各取引事業者が当社のデータセンター内に設置したサーバー間を専用の高速回線で接続できるサービス「Equinix Financial eXchange(EFX)」をワールドワイドで提供している。現在のユーザーは金融取引所が集積するシカゴが中心で、国内でのEFXユーザーの開拓はこれから。だが既に東京工業品取引所と東京金融取引所と提携し、取引参加者に当社のハウジングの利用を推奨するという動きもあり、今後国内でも急速に普及すると見ている。

 国内での需要は好調だ。現在東京に2カ所ある国内データセンターのラック利用率は90%に達しており、第3のデータセンターの建設を急いでいる。2010年にも部分的に稼働をはじめ、2011年には本格稼働させたいと考えている。(談)

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