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[ユーザー事例]

先進企業にみる“本命”の効果 Part 2

2010年3月9日(火)IT Leaders編集部

コスト削減だけではない先進ユーザーにみる“本命”の効果 レガシーマイグレーションを完遂し、新たなシステム基盤を手に入れた企業は、情報システム部門の活性化や開発生産性の向上など、コスト削減以外の大きなメリットを享受している。JTBと積水化学工業の事例から、期待できる効果を再検証する。

相次ぐ新機能の追加が容易に
JTB

永井雄二氏 永井雄二氏
JTB情報システム
執行役員 基幹システム運用第1本部長

JTBは2009年4月、40年にわたって予約系システムで使い続けてきたメインフレームに別れを告げた。IBM 9672上で稼働していた国内および海外の旅行予約やテーマパークの発券を担うシステム「TRIPS」をC言語とJavaで再構築し、AIXサーバーやIAサーバーなどに移行するプロジェクトが完了したのである。2001年に検討を始めてから足掛け8年を超える長期プロジェクトだった。(本誌2009年6月号の特集「進化するITプラットフォーム」を参照)。

プロジェクトの最大の目的は、機能強化や運用保守を続けられるようにTRIPSのシステム基盤を再構築すると共に、アプリケーションを旅行商品の多様化に柔軟に対応できる構成にすること。特にシステム基盤については、将来的に大きなリスクにつながりかねない状況だった。TRIPSはTPFという特殊なOSを使っていたためである。JTB情報システムの永井雄二執行役員は「(TPFを熟知した)技術者は少なくなり、社内で育成することも難しくなることが予想された」と話す。

JTBはTRIPSを再構築してAIXサーバーやIAサーバーに移行したことで、TPFを使い続けることによる一種の“呪縛”を断ち切った。それにより機能強化や運用保守の維持という当初の狙いを果たした以上に、開発生産性を高める効果を手に入れた。

同社は毎月のように、TRIPSの機能改良や新機能の搭載をしている。1カ月に4、5件の機能をリリースすることも珍しくない。当然、複数のプロジェクトが重なる時期には開発要員の確保が課題になるわけだが、「C言語やJavaで再構築したので開発要員の心配は少ない。ピーク時でも高い開発生産性を維持できるようになったのは、オープン化による大きな成果の1つだ」(永井執行役員)。

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