[市場動向]

「中堅中小向けは100%パートナー協業に」 日本IBMがパートナー戦略強化

2010年3月4日(木)IT Leaders編集部

日本IBMは2010年3月4日、2010年度の中堅・中小企業(従業員数1000人未満の企業)を対象とする販売戦略を発表した。パートナーとの協業の強化とサービス再販制度の新設で、IBMの関連サービスを中堅・中小企業に拡販したい考えだ。

 2010年1月に営業組織を再編。中堅・中小企業向けの直販担当の営業部門とパートナー担当の営業部門を、「パートナー&広域事業部」として統合した。今後の中堅・中小企業へのすべての営業案件は、アウトソーシングなどの例外を除いて「100%パートナーとの協業の形をとる」(執行役員パートナー&広域事業担当の岩井淳文氏)。

 パートナーとの役割分担も明確化した。具体的には、保守サポートや運用といったサービスを、パートナー提供のものに一本化する。「従来は当社とパートナーで重複したサービスを提供する例が多く、改善を求める声が少なくなかった」(岩井氏)。保守サポートについては、日本IBMの保守サポートを再販しているパートナーが大半であり、「ユーザー企業にとって料金やサポート内容の変更が発生することはない」(岩井氏)という。

 併せてサービスの再販制度を新設した。2010年2月にパートナー向けに発表した「SOP(サービス・オリエンテッド・パートナリング)」と呼ぶ制度だ。これはIBM製のハードウェアやソフトウェアを利用したサービスを提供するISPなど(協業サービスパートナー)が、日本IBMの販売パートナーを通じて自社のサービスを再販できる制度。サービスの提供窓口や保守サポートなどは販売パートナーが担う。「今まで顧客が慣れ親しんだ販売パートナーが窓口や保守を担うことで、ベンチャー企業などが提供するサービスであっても顧客が安心して選択できる」(岩井氏)。

 協業サービスパートナーには、既にソフトバンクテレコムやニフティなどの大手や、日本情報通信など116社が参加表明しており、日本IBMでは2010年末までに300社への拡大を目指す。SOP制度を利用したサービスは、2010年4月に試験提供を開始する。SOPに参加する企業は、Webサイトへのサービス掲載などのマーケティング支援を日本IBMから受けられる。

 販売パートナーは、協業サービスパートナーのサービスと併せて、「LotusLive」をはじめとするIBMのパブリッククラウドサービスも提供できる。「当社のサービスの拡販だけでなく、サービス同士を競わせることでサービスの質を向上させるのが狙い」(岩井氏)。

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