[新製品・サービス]

弥生がAzureを利用した新業務SaaSの開発を発表

2010年3月26日(金)IT Leaders編集部

弥生は2010年3月26日、マイクロソフトのクラウドコンピューティングサービス「Windows Azure Platform」を利用したSaaS形式の新業務アプリケーション「弥生SaaS(仮称)」を開発すると発表した。2011年半ばに提供を開始する。利用料金は未定だが、1ユーザーあたり月額5000円未満に設定することを検討している。

記者発表会後に固く握手をする弥生の岡本浩一郎代表取締役社長(左)とマイクロソフトの樋口泰行代表執行役社長
写真1:記者発表会後に固く握手をする弥生の岡本浩一郎代表取締役社長(左)とマイクロソフトの樋口泰行代表執行役社長

 会計や販売管理、給与計算などを揃える同社の業務パッケージ「弥生シリーズ」とは別に、新規に開発する。発表会では具体的な機能は明らかにしなかったが、会計や販売管理といった業務別製品ではなく、「業務の流れに沿った一連の処理を単一のサービスで支援する、統合業務(ERP)システムに近いイメージになる」(弥生の岡本浩一郎代表取締役社長)。

 たとえば、製品販売の際に発生する請求書発行と売掛金の計上をシームレスに処理する。既存製品の場合は、請求書発行は「弥生販売」、売掛金の計上は「弥生会計」という別パッケージで実現している。両製品のデータ連携はインポート・エクスポートが主流であり、自動化されていなかった。

 弥生SaaSの基盤として採用したAzureは、同社のサーバー製品群「弥生ネットワークシリーズ」で利用しているWindows ServerやSQL Serverと互換性がある。同社はこの特徴を生かし、パッケージ製品とSaaSの双方の開発負荷を低減する。既存製品をそのままSaaS化しないのは、「既存製品は20年以上のアップグレードを続けた結果、機能が肥大化してきた」(岡本氏)ことが背景にあるという。機能を絞った業務アプリケーションを新規に開発することで、機能過多を敬遠していたユーザー企業に訴求する狙い。

 同社はSaaSの開発を進める一方で、パッケージ製品にもネットワークを利用した機能を盛り込み始めている。現在販売中の弥生シリーズには、ネットワーク経由でバージョンアップ可能な「オンラインアップデート」や、弥生が運営するデータセンターにデータをバックアップできる「データバックアップサービス」が備わる。

 SaaSとパッケージ製品の機能連携も進める。弥生SaaSが採用するユーザーインタフェースは、マイクロソフトのリッチインターネットアプリケーション(RIA)基盤「Silverlight」。これを既存製品にも採用し、「今後5年から10年かけて、自社運用型とSaaSの機能やユーザーインタフェースを共通化させる」(岡本氏)。

 併せて、マイクロソフトと開発やマーケティング面での協業も発表した。弥生シリーズをマイクロソフトのサーバー製品の新版で早期に稼働可能にするための技術供与を受けたり、小規模ユーザー企業向けのセミナーを共催する。

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