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Secwardジャパン、ファイル暗号化ソフトに新版、チーム利用機能を強化

2010年9月27日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

Secwardジャパンは2010年9月27日、クライアントPC上の文書ファイルを自動的に暗号化/復号するソフトの新版「TotalFileGuard 7.0」(TFG)を発表、同日出荷を開始した。新版では、ライセンス条件などを緩和し、同ソフトをインストールしていない環境でも制限付きでデータを閲覧できる機能などを追加した。

 SECWORDジャパンの「TotalFileGuard(TFG)7.0」は、Windows環境で動作する、クライアント・サーバー型のファイル暗号化ソフトである。個々のクライアントPC上で稼働してファイルを暗号化/復号するエージェントと、エージェントに対してファイルの復号を許可するマネージャで構成する。出張時など社内ネットワークに接続できない場面では、あらかじめ期間限定の復号鍵を配布しておくことで、スタンドアロンで利用できる。

 TFGの価格は、年額制。初年度の価格(詳細は後述)は、個々のクライアントPC上にインストールするエージェント・ソフトが、基本版で1クライアントあたり1万4000円(税別)。管理サーバー・ソフトが、基本版で30万円(税別)、など。次年度以降の価格は、初年度価格の15%が年額としてかかる。

 TFGの国内総販売代理店はピコテクノロジーズ。開発会社は米Secward Technologies。

暗号化の対象はWindowsアプリケーション単位

 ファイル暗号化の対象となる単位は、個々のCADソフトやExcel、PowerPointなど、個々のWindowsアプリケーションである。アプリケーションごとの定義ファイルをインポートしておくことで、該当するアプリケーションが扱うデータを自動的に暗号化/復号できる。

 定義ファイルには、アプリケーションを起動したことをTFGのエージェントが知るためのフック条件、利用する暗号アルゴリズム、例外的に暗号化の対象としないファイルの種類(拡張子指定)など、TFGの機能を利用するための諸条件を記述する。製品には、あらかじめ150種類以上のアプリケーション定義が用意されている。

 ディスク上にあるファイル全体ではなく、アプリケーション単位で暗号化の対象を指定する理由は、暗号化しないデータを運用できるようにする、というもの。例えば、Adobe Acrobatで作成したPDFファイルは暗号化の対象とするが、他の手段で生成したPDFファイルは暗号化の対象としない、という運用が可能になる。

印刷ドライバ/専用ビューア、外部パートナー向けエージェントを追加

 今回の新版では、通常のエージェントをインストールしていない環境で利用することを想定した機能として、大きく2つの機能強化を施した。1つは、製品のオプションソフトとして用意した「TotalSafePrinter」(TSP)。もう1つは、外部パートナー(社外の協力会社)向けに機能を制限した専用エージェント「外部パートナー向けエージェント」である。

 TotalSafePrinter(TSP)は、仮想プリンタドライバである。印刷先としてTSPを選ぶことで、印刷イメージを専用の文書ファイルに保存する。PDF同様に、文書ファイル中に文字フォントが埋め込まれる。文書ファイルは、SECWARDが無償で配布している専用のビューアを用いて閲覧できる。

 TSPが生成した文書ファイルには、アクセス(閲覧)可能回数、有効期限、さらに、必要に応じて閲覧に必要なパスワードを設定する。アクセス可能回数は、文書ファイルを開くたびに減っていく。アクセス可能回数がゼロになった場合や、有効期限を過ぎた場合は、専用ビューアによって、文書ファイルが自動的に消去される仕組み。

 外部パートナー向けエージェントは、外部パートナーに配布することを目的に機能を限定したエージェントである。TFGの上位版を導入している場合に限って利用できるが、外部パートナー向けエージェントにはライセンス料がかからない。

 通常のエージェントとの違いは、文書ファイルの新規作成時に暗号化ができないこと。一方で、他社から受け取った暗号化済みの文書ファイルに対しては、通常のエージェントと同様に、閲覧、編集、編集後再保存などの作業が可能である。

機能に応じて基本版と上位版の2種類を用意

 TFGのエディション構成と価格の詳細は、以下の通り。

 管理サーバー・ソフトの種類は2種類。外部パートナー向けエージェントを使えるかどうかが異なる。

 基本版の「TotalFileGuard 7.0管理サーバー」は、初年度が30万円(税別)、次年度以降が4万5000円(税別)。基本版では、外部パートナー向けエージェントを利用できない。

 上位版の「同アドバンスドサーバー」は、初年度が45万円(税別)、次年度以降が6万7500円(税別)。上位版では、外部パートナー向けエージェントを無制限に配布できる。

 エージェントソフトの種類は2種類で、暗号化/復号の対象となるアプリケーションの数が異なる。

 基本版の「TotalFileGuard 7.0クライアント」は、1クライアントあたり、初年度が1万4000円(税別)、次年度以降が2100円(税別)。Microsoft Office(Accessを除く)とAdobe Readerに限って、暗号化/復号の対象にできる。Adobe Readerの場合、任意のPDFファイルを開いた瞬間に暗号化する仕組み。

 上位版の「同エンタープライズクライアント」は、1クライアントあたり、初年度が2万4000円(税別)、次年度以降が3600円(税別)。アプリケーションごとに個別の定義ファイルをインポートすることで、任意のアプリケーションを暗号化/復号の対象にできる。

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