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チャットボイス、IP-PBX製品の「交換職」を発表、ドコモ回線を利用して社内電話から携帯への転送を定額化

2010年9月29日(水)IT Leaders編集部

チャットボイスは2010年9月15日、IP-PBX製品の「交換職」を発表した。NTTドコモのFOMA携帯電話の利用により、社内の固定電話にかかってきた電話を、外出中の従業員の携帯電話に定額で転送可能にするのが特徴だ。

オフィスの社内電話にかかってきた電話を携帯電話に転送できれば、不在時でも顧客からの問い合わせに即応するといった機動性が得られる。とはいえ、そのためには、各通信事業者が提供する転送サービスの契約だけでなく、社内から転送先の携帯電話までの通信料金も必要になる。月に数回の電話転送であればよいが、社内スタッフが外出することの多い企業の場合は、電話料金がはね上がってしまう。

可能な限り安価かつ容易に携帯電話に転送したい―。こうしたニーズに応える製品として登場したのが、チャットボイスが開発・販売する「交換職」だ。NTTドコモが提供する携帯電話の企業内定額通話サービスを兼用することで、社内電話から携帯電話への転送を定額化できる。特に中小零細企業をターゲットに据える。

携帯電話番号に自動転送、NTTドコモの企業向けサービスで転送費用を定額化

交換職は、LinuxベースのIP-PBXアプライアンス製品。NTT東日本/西日本が提供するひかり電話サービスで利用するひかり電話ルーターに、イーサネット接続して利用する。5つまでの社内電話番号(ダイアルイン番号)を登録でき、最大5台までのIP電話機を、ひかり電話ルーターにイーサネット接続して利用できる。

5つの社内電話番号ごとに用意したソフトウェアIP-PBXを交換職内で起動し、このIP-PBXを介して通話を実現する。搭載するIP-PBXソフトは、米Digiumが開発しているオープンソースのIP-PBXソフトである「Asterisk」をベースに開発した。

最大の特徴は、短距離無線通信技術であるBluetoothを搭載したNTTドコモのFOMA携帯電話端末との連携機能だ。NTTドコモの企業向け通話料割引サービス「ビジネス通話割引」を契約すると、従業員が持つ転送先のNTTドコモの携帯電話端末に定額で転送できる。社内電話の着信時に一定時間応答しないと、社内電話番号にひもづけて登録しておいた従業員の携帯電話に自動転送する。

転送用に用意した携帯電話端末と、交換職をBluetoothを通じて接続。交換職が受けた社内電話宛の通話音声を転送用の携帯電話にBluetooth経由で送る。「交換職がBluetoothヘッドセットのような役割となり、電話をかけてきた人がヘッドセットを使って転送用の携帯電話で通話している状態を作り出せる」(森 博一シニアエンジニア)。転送用の携帯電話は、交換職に事前登録してある従業員の携帯電話番号に自動で電話をかける。これにより、社内電話宛の電話を携帯電話で受けることが可能になる。

携帯電話キャリアをNTTドコモに限定したのは、「Bluetooth接続におけるアプリケーション開発のためのプロトコルの仕様を入手しやすかったのが、NTTドコモだった」(上原 孝之 代表取締役社長)からだという。プロトコル仕様を入手でき次第、他社の携帯電話でも利用可能にする計画だという。

着信履歴管理などIP-PBXの基本機能も充実

IP-PBXとしての基本機能も充実させた。1つは着信履歴の管理機能。相手先の外線番号や、どのダイアルイン番号宛だったかなどを着信ごとに最大30件保管できる。各履歴には「着信履歴番号」と呼ぶ管理番号が自動付与される。社外から自社のダイアルイン番号宛に電話をすると、交換職に接続。続けてアスタリスク(*)と着信履歴番号をダイアルすると、相手先に自分のダイアルイン番号から発信できる。メールアドレスを事前登録しておけば、外出中に着信があったとき、発信元の外線番号や着信履歴番号などを掲載したメールをそのアドレス宛に送信できる。

管理コンソールでの設定項目は、ダイアルイン番号と内線番号のひも付けや、転送先の電話番号やメールアドレスの設定など、必要最小限のものにとどめた。「メジャーな外資系ベンダーの販売するIP-PBXは、設定すべき項目が多すぎ、ユーザー企業が自社で設定できないケースが多い。交換職なら、80ページ弱ほどのマニュアルさえ読めば、専門知識がなくても設定が可能」(上原社長)。こうした背景から、製品に対する保守サポートは用意していない。ファームウェアのバージョンアップは、無償で提供する。

交換職の価格はオープンで、想定価格は6万~7万円。2010年10月頃の販売を予定している。FOMA携帯電話による転送機能を省いた廉価版の「交換職Lite」を9月15日から先行販売しており、価格はオープンだが想定価格は3万~4万円。

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チャットボイス、IP-PBX製品の「交換職」を発表、ドコモ回線を利用して社内電話から携帯への転送を定額化チャットボイスは2010年9月15日、IP-PBX製品の「交換職」を発表した。NTTドコモのFOMA携帯電話の利用により、社内の固定電話にかかってきた電話を、外出中の従業員の携帯電話に定額で転送可能にするのが特徴だ。

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