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データを利用頻度に応じて最適なディスクに自動配置 リソース活用を効率化するストレージが相次ぎ登場

2010年11月5日(金)

Hitachi Virtual Storage Platform/HP StorageWorks P9500ディスクアレイ/IBM Storwize V7000 日立製作所/日本HP/日本IBM 企業が保有するデータが肥大化する中、利用頻度に応じて適切な保存先ディスクを自動選別する「階層化機能」に注目が集まっている。2010年9月末から10月にかけ、階層化機能を備えるストレージが立て続けに登場した。

頻繁に利用するデータは、高価だが高速にアクセスできるSSDに、あまり利用しないデータは、低速だが低価格で大容量を確保できるSATAディスクに自動で保存する─。これが「階層化機能」の基本的な仕組みだ。性能の異なるディスクが混在する環境での性能設計を不要にし、ストレージのコストパフォーマンスを高められる。

この機能を備えるストレージが各社から相次ぎ登場している。

日立のVSP

日立製作所が2010年9月29日に発表した「Hitachi Virtual Storage Platform」(VSP)は、「Hitachi Dynamic Tiering」と呼ぶ階層化機能を備える。データを42MBのブロックに分割してアクセス頻度を監視。SSD、SASディスク、SATAディスクにまたがってデータを自動で振り分ける。

ストレージの運用を効率化するソフト群も刷新して提供する。「Hitachi Command Suite 7」は、業務要件に応じて階層間のデータを再配置する「Hitachi Tiered Storage Manager」や、レプリケーションやバックアップ機能を備える「Hitachi Replication Manager」など、5つのソフトで構成する。新版はストレージの稼働状況を1画面から確認できるダッシュボードを追加。100万個のボリュームを1台の管理サーバーで監視できるという。

価格(税込)は、VSPが7715万2950円から。階層化機能を利用するためのソフト「Hitachi Dynamic Tiering Software」は220万5000円から。

HPのP9500

日本HPも9月29日、「HP Storage Works P9500ディスクアレイ」を発表した。日立製作所のVSPをOEMとして提供するため、基本的な仕様はVSPに準じる(ディスク容量は異なる)。

特徴はHPが独自開発したストレージI/OのQoS(優先制御)機能を備える点だ。特定の業務アプリケーションやバックアップ処理、バッチ処理など、ストレージを利用する用途ごとにI/O処理の優先度を変えて運用できる。

QoS機能は「HP StorageWorks P9000 Application Performance Extender」(APEX)と呼ぶソフトを利用する。APEXはストレージを利用するホスト側で動作し、I/O処理のコマンドのヘッダー部に優先度(16段階)を付加する。これを受けたP9500が優先度に応じてI/O処理のリソースを割り当てる。価格(税込)は3280万2000円から。

IBMのStorwize V7000

日本IBMが10月8日に発表した「IBM Storwize V7000」は、ハイエンド機「IBM System Storage DS8700」の階層化機能「Easy Tier」を備えるミッドレンジ機である。VSPやP9500より細かい16MBのブロックに分けてデータを配置し、ディスクの利用効率を高められることを訴求する。

他社製ストレージや内蔵ディスクを束ねて仮想化する機能も備える。これは同社のアプライアンス「SAN Volume Controller」の機能を簡素化したもので、最大容量が8PB(発売当初は4PB)となる仮想ストレージプール内に、最大2048個のボリュームを作成/運用できる。価格(税込)は637万8750円から(HDDなしの場合)。 (折川/日川)

表 各社ストレージ製品の価格一覧
ベンダー 製品名 価格(税込)
日立製作所 Hitachi Virtual Storage Platform 7715万2950円~
日本HP HP StorageWorks P9500ディスクアレイ 3280万2000円~
日本IBM IBM Storwize V7000 637万8750円~
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