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【特別企画】新DWH基盤の構築で戦略的な情報分析と宿泊施設向けのサービス強化を実現

2011年4月21日(木)

Teradata導入事例 楽天トラベル × 日本テラデータ 国内最大級の総合旅行サイトを運営する楽天トラベル。旅行業界の競争が激しくなる中、同社では、宿泊施設へのサポートと多様化する利用者ニーズを的確に把握するため、Teradataを中核にデータウェアハウス基盤を刷新した。これにより、利用者の動向を的確に把握できるようになったことに加え、販売機会損失の改善や登録施設に対するサービス向上など、様々なメリットを実現している。

新たなサービス強化に向けてシステム基盤の見直しが重要に

山上 哲平氏 楽天トラベル株式会社
事業推進部 事業戦略グループ リーダー
山上 哲平氏

2002年の設立以降、順調に成長を続ける楽天トラベル。2011年3月現在、登録宿泊施設数は国内約2万5000軒、海外約6万軒、宿泊予約数は月間約300万件にのぼる。

こうした急成長を支える原動力は、「仮説→実行→検証→仕組化」というサイクルを徹底し、常に利用者の立場から新しいサービスを提供している点にある。具体的には、宿泊施設を予約するだけでなく、航空券(ANA、JAL)、JR券、レンタカーを自由に組み合わせられる「楽パック」なども提供し、さらなる利便性を図っているのだ。

しかし、こうした急成長の裏で同社では新たな課題も抱えていた。それは、登録施設と利用者の大幅な増加に伴う、トランザクションの増大である。「パフォーマンスの低下に加え、日次更新バッチ処理が時間内に終わらないといった問題が発生していました。そのため、始業時間までに必要なレポートを作成することができず、タイムリーに情報を活用できないこともありました」と楽天トラベル 事業推進部 事業戦略グループ リーダーの山上 哲平氏は語る。

残田 晋氏 楽天株式会社
ブッキング&マッチングサービス開発・運用課
トラベルサービス開発グループ サブマネージャー
残田 晋氏

また、従来システムはデータの活用範囲が限られ、多角的な分析に多くの手間と時間が必要だったことも課題の1つだった。「現在は旅行業界の競争が激化し、利用者ニーズも多様化しています。利益確保を図るには宿泊施設側が積極的な施策で“仕掛ける”時代。それをサポートするのも楽天トラベルの重要な仕事です」と楽天 ブッキング&マッチングサービス開発・運用課 トラベルサービス開発グループ サブマネージャーの残田 晋氏は述べる。こうした背景から、同社はシステム基盤の見直しに着手。既存のIBM/OracleシステムからTeradataへの移行を決定した。

同社がTeradataを採用した最大の理由—それは、豊富な実績に加え、データウェアハウス(DWH)としてのポテンシャルが極めて高かったからだ。

「実際に、デモ環境を構築し、従来システムで使われていた検索業務のSQLで処理時間を比較したところ、50倍以上のパフォーマンス向上を実現しました。これまでは不可能だった複雑なSQLを、その場のリクエストで実行し、結果を迅速・正確に導き出しました」と残田氏は話す。

社内ユーザーのデータ活用を促進し
業務効率化とスピードアップを実現

現在、Teradataを核にしたDWH基盤に予約情報、実績明細、会員・宿泊施設マスター、Webアクセスログデータなどを集約している(図)。「これにより、帳票のWeb化を実現しました。それまでユーザー部門の要望をシステム部門の担当者が集めて結果を返す方法で対応していましたが、今では社内ユーザーが自由にWeb上で詳細なデータを参照することができ、データ活用方法の多様化を実現しています」と山上氏は満足感を示す。

楽天トラベルのDWHシステム概要図
楽天トラベルのDWHシステム概要図
社内の各部門が自由にデータを参照・分析が可能。各施設も分析帳票を参照し、予実管理や施策分析などに役立てることができる

もちろん、システムのパフォーマンスも劇的に向上している。「例えば、従来1時間かかることもあったデータ抽出時間は数秒に、5〜6時間を見込んでいたデータ照会時間は1時間以内に短縮されています」と残田氏は語る。

さらに業務の効率化やスピードアップにも計り知れない効果が期待できる。「次々とリリースされる新サービス開始に伴う事前サービス検証への対応も容易になりました」と残田氏。数名を要していたDBA(データベース管理者)は他システムとの兼任者1人で対応可能になり、運用管理の負荷軽減にもつながっているという。

メリットは、ビジネス面にもおよぶ。まず、大きいのがパフォーマンス向上による業務遅延の解消だ。従来は日次バッチ処理が夜間に終了しないこともあったが、今は始業時間までに日次バッチ処理が確実に終了するため、最新の実績データをもとに的確な判断が行える。「例えば、Webアクセスを分析することで、施設別のページ訪問者数や、利用者の行動(クリックストリーム)などを容易に把握することが可能です。販売機会損失の改善や売上予測の精度向上にも役立っています」と残田氏は語る。

さらに、新システムの稼働によって、新サービスの提供も可能になった点も重要なメリットだ。登録宿泊施設向けに展開する「施設カルテ」というサービスもその1つ。これは宿泊施設向けにDWHの分析結果を提供し、過去実績、利用者属性、季節ごとの傾向などをWeb上で確認できる仕組みだ。宿泊プランのROI分析などに活用でき、新たな施策展開をサポート。「このサービスを活用することで、部屋稼働率の向上を実現している施設も少なくありません」と山上氏はその成果を紹介する。

今後は国内および海外の登録宿泊施設数を拡大していくのはもちろん、多様化する利用者ニーズに応えるために分析力を強化する。さらに、これまで培ったノウハウを生かし、サービスのグローバル化も推進していく計画を進めていく考えだ。

UserProfile

楽天トラベル株式会社

楽天トラベル株式会社

設 立 2002年8月1日
従業員数 334名(2010年1月1日現在)
事業内容 国内最大級の総合旅行サイト「楽天トラベル」を運営。国内のホテル・旅館・ペンションなどの宿泊施設予約に加え、国内・国際線航空券、海外旅行ツアーの販売なども行う。
URL http://travel.rakuten.co.jp/

データウェアハウスのリーディングカンパニー

日本テラデータ株式会社

日本テラデータ株式会社
http://www.teradata-j.com/

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