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日本HP、FCストレージEVAを刷新、価格3割減などでSMB市場も対象に

2011年6月9日(木)

日本ヒューレット・パッカードは2011年6月9日、ミッドレンジ向けSANストレージの後継機「P6000 Enterprise Virtual Array」(P6000 EVA)を販売開始した。新たに、iSCSI接続、シン・プロビジョニング、手動での階層化ストレージ機能などを追加した。価格は税込みで325万5000円から。旧機種比で価格を3割下げ、中小企業にも導入しやすくした。

P6000 EVAは、SAN接続型ストレージ。特徴は、EVAの名称が示す通り、ディスク・アレイ構成(RAID)の仮想化によって、RAIDを構成するディスク・ドライブの物理構成を意識することなく、論理ボリュームの管理だけで利用できる点。複数のディスク群からなるプールから、論理ボリュームに対してデータ・ブロックを割り当てる。この上で、仮想的なRAID構成(RAID 0/1/5)を利用できる。

今回、EVAの旧機種3製品(EVA4400、EVA6600、EVA8000)のうち、ハイエンド機種のEVA8000を除く2機種を、新たにP6000 EVAファミリとして刷新した。中小からミッドレンジをカバーするP6300 EVAはEVA4400の後継機、ミッドレンジのP4400 EVAはEVA6400の後継機に当たる。

P6000 EVAに刷新したことで、価格を下げるとともに、いくつかの機能を追加した。価格は、P6300 EVAとEVA4400の比較で、約3割減った。機能の強化などによってコントローラ部のソフトウエア費用は増しているが、ディスク・ドライブの価格低下や、EVAシリーズが枯れている製品であることなどにより、価格を下げた。

新たに追加した主な機能は大きく4つあり、以下の通り。

(1)サーバー接続用のSANプロトコルとして、これまでのFC(Fibre Channel)に加えて、iSCSIを利用できるようにした。具体的には、これまでオプションとして提供していた外付けのiSCSI変換スイッチを、きょう体に内蔵した。これにより、内部機構はFCアレイだが、iSCSIによるアクセスが可能になった。

(2)ボリューム容量を仮想化するシン・プロビジョニング機能を追加した。実際に割り当てられている物理ディスク量を超えるボリュームを運用できる。あらかじめボリューム容量分の物理ディスクを割り当てておく必要がなくなるため、ディスク使用効率が高まる。

(3)アクセス頻度などに応じて、アクセス性能が異なる複数のディスクを使い分ける階層型ストレージ管理を可能にした。データの移動を手動で実施する必要があるが、いったんクローンを作ってコピーする手法により、オンラインで(ストレージを使用中に)動的にデータを移動できる。

(4)設定可能なボリューム容量の上限を、以前の2倍となる32Tバイトに拡大した。

なお、日本HPでは、2011年6月9日付で、一部ストレージのブランド名称となっていた「StorageWorks」を廃し、製品名から省略した。例えば、「HP StorageWorks P9500 Disk Array」の新名称は「HP P9500 Disk Array」になる。StorageWorksブランドはもともと、旧Compaq Computerの製品系列に付けられていたもの。

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