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zEnterpriseにミッドレンジ機を追加 メインフレーム+オープンサーバーの効能を訴求

2011年8月5日(金)

IBM zEnterprise 114/日本IBM 日本IBMは2011年7月13日、メインフレーム「IBM zEnterprise 114」(z114)を発表した。2010年7月に発表したハイエンド機「zEnterprise 196」の下位に位置するモデルで、主に準大手・中堅企業への導入を促す。

写真 IBM zEnterprise 114 写真 IBM zEnterprise 114

メインフレームと、社内に散在するオープン系サーバー群。これらを1つの筐体内に統合し“適材適所”の処理能力を提供すればTCOや運用負荷を削減できる−。こうしたコンセプトを元にIBMは2010年7月、「zEnterprise」を世界同時にリリースした。メインフレーム本体のほか、POWER7/x86ブレードサーバーを搭載する拡張ユニット、それらを一元管理するファームウェアなどで構成する製品ファミリー群の呼称だ。

今回発表した「IBM zEnterprise 114(z114)」は、そのうちのメインフレームの新製品という位置付け。現行の上位機種「z196」よりスペックを落としたミッドレンジモデルである。

メインフレームの中位モデル

z196に比べて、搭載コア数やプロセサの動作クロック数を引き下げた。コア数はz196が最大96個であるのに対しz114は14個、動作クロック数は5.2GHzから3.8GHzとした。1秒間あたりの命令処理数は、z196の5万MIPS(1MIPSは100万回/秒)に対しz114は最大3100MIPSに留まる。「z196はハイパフォーマンスを重視した製品だが、それほどの性能を必要としない企業も多い。性能と価格を抑えることで中堅から大企業まで幅広く導入できるようにした」(システム製品事業 System z 事業部長 朝海孝氏)。

処理性能については、26〜3100 MIPSの間で130段階でキメ細かくセットできるのが特徴の1つ。用途に応じた性能を選択できるが、当然ながら処理性能に応じて価格も高くなる。26MIPSで2771万円(税別)からだ。他社製品からz114へ乗り換える企業向けの限定価格を提示する予定もあるという。出荷は9月9日から。

拡張ユニットにWindowsも

オープン系サーバーを収容する外付け拡張ユニットが「IBM zEnterprise BladeCenter Extention」(zBX)である(2010年11月に出荷済み)。

同製品には、42Uサイズのラックに28台のブレードサーバーを搭載できる(4台の最大構成時は112台まで実装可能)。搭載するブレードサーバーはこれまで、AIX用のPOWER7サーバーとLinux用のx86サーバーのみだったが、Windows用x86サーバーを2011年第4四半期に投入することを今回公表した。また、zBXを月額課金で使用できるようにするプランもある。

ワークロードの最適化へ

IBMは、zEnterpriseの市場投入に合わせて「ワークロードの最適化」というメッセージを打ち出した。DBを使ったトランザクション処理、Webアプリケーションの安定稼働、BI(ビジネスインテリジェンス)による分析…。コンピュータが処理する内容には業務に応じた特性があり、それぞれに相応しいリソースを割り当てることが全体の処理効率向上につながるという考え方だ。

異機種混在環境を1筐体内にまるごと格納するzEnterpriseをその解の1つとし、今回のミッドレンジ機の追加で、さらに導入ターゲットとする企業の裾野を広げる考えだ。 (折川)

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