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ナレッジナビゲータを知っているか?

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2011年10月31日(月)田口 潤(IT Leaders編集部)

本号から「About this Issue」と題して、時々に感じたことや思ったことを織り交ぜつつ、当該号の内容や見所を紹介する。よろしくお付き合い願いたい。

写真 ナレッジナビゲータのモックアップ 写真 ナレッジナビゲータのモックアップ

「ナレッジナビゲータ(Knowledge Navigater )」というコンピュータをご存じだろうか。製品ではなく、米Apple社(当時はApple Computer社)が1988年に発表したビデオに出てくる、未来のパソコンのコンセプトワークである(ビデオはYouTubeで閲覧できる)。人工知能(AI)を備え、ユーザーが話しかけると音声で応答して情報の検索や処理、例えば予約などをこなす、折りたたみ可能なモバイルデバイスだ(写真)。現代の眼から見ると、いささか不格好に思えるが、当時は斬新かつ画期的なコンセプトだった(当時はAIブームでもあった)。

ナレッジナビゲータを発表したのは、1988年当時、アップルのCEOを務めていたジョン・スカリー氏。10月初めに惜しまれながら死去したスティーブ・ジョブズ氏ではない。ジョブズ氏は1985年にアップルを去っており、ナレッジナビゲータとは直接関係なかったとされる。だがiPhone、iPadというジョブズ氏の“作品”を見る限り、それらがナレッジナビゲータを具現化し、超えようとしていたかに見える。これらデバイスの裏側に知識ベースを用意すれば、すなわちナレッジナビゲータとほぼ等価になるからだ。iCloud、そして日本語には未対応だが最新のiPhone4Sで強化された音声認識機能は、そのことを強く想起させる。

四半世紀を経て、パーソナルコンピュータがナレッジナビゲータに進化しつつある今、企業情報システムはそれに追従しているだろうか?あるいは追従させるには、何が必要だろうか?少なくとも我々企業ITの関係者、つまりITリーダーは、ジョブズ氏の作品を初めとする新たなITの成果の活用に、少なくともブレーキをかけないように、可能なら加速させなければならない。

さてAbout this Issue=本号の内容である。特集は「クラウド2.0の幕開け」。「○○2.0」という表現は、ともすれば新しさを強調するための常套手段ととられがちだが、この特集はそういう意図ではない。クラウドと言えばIaaSにしろ、SaaSにしろ、日本では特定のサービスを利用するイメージが強い。だがクラウド2.0では複数のサービスを組み合わせ、必要なシステムを構成する形になる。お読みいただければ、2.0と銘打った意図を理解いただけるはずだ。

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