[デジタルビジネス時代の到来]

デジタル時代の企業に求められること

2015年3月20日(金)大石 卓哉(富士通) 中村 記章(富士通) 田口 潤(IT Leaders編集部)

「Disrupt、or be disrupted」(破壊するか、それとも破壊されるか)──。ICTのすさまじい進化と普及が世の中を変えると共に、これまで企業が手がけてきたビジネスのあり方までも根底から突き崩そうとしている。この時代に企業はどう対峙すべきか。少なくとも言えることは、自社の都合ではなく、経営環境の変化やICTの進化を先取りして、タイムリに新サービスを創造したり、事業変革をするための準備が早急に必要ということだ。

デジタルビジネス時代の情報システム像

 モバイルやIoT、クラウド、ビッグデータ。読者が経営/勤務する会社は、これらのICTを活用して事業を変革している、あるいは変革する準備があるだろうか?単に何らかの新しいICTを取り入れるといった話ではない。経営や事業の要請、外部環境の変化に即応できるように、情報システム全体を進化させているかどうかが重要なポイントだ。

 というのも既存の情報システムは日々の業務をサポートし、合理化/効率化することが役割である。会計や生産管理、販売管理や顧客管理など人が行う業務遂行を、データの記録や処理、伝達といった機能で支援する。その一部をクラウドに移行すれば、運用などのコストを下げられる。モバイルで顧客管理をできるようにすれば営業担当者は便利になる。生産管理で得たデータを分析すれば何らかの知見を得られるだろう。さらにWebサイトを構築して外部に情報を提供しているかも知れないし、IoTのような技術も必要に応じて利用すればいい。だから新しいICTを活用する準備はできていると考えているかも知れない。

 しかしクラウドへの移行やモバイルの活用などは改善のレベルに留まる。ここでお伝えしたいのは、そういうことではなく、変革である。自社の都合ではなく、経営環境の変化やICTの進化を先取りして、タイムリに新サービスを創造したり、事業変革をするための準備が必要ということだ。

 多くの場合、情報システムは長い期間をかけて必要に応じて構築・拡張されてきた。構築年代に応じて、設計方法や利用技術は異なっており、例えて言えば増改築や建て増しを重ねた古い温泉旅館のようなものだ。最新の空調設備を取り入れようにも、どこにどれだけ追加すればいいか分からない。最新のセキュリティ設備を取り付けようにも、どこかに裏口がある可能性を捨てきれない。そんな状況に近いのだ。新しいICTを取り入れるにしても、“必要に応じて”、”部分最適で”やっていては早晩、行き詰まる可能性が高い。

 筆者らは、2年前に発行した「Fujitsu System Integration Renaissance」において、既存の情報システムを全体最適の視点で見直し、新たなアーキテクチャに進化させる考え方を説明した。「変化対応力の向上」がその目的だった。今、それを進化させ、新しいICTを駆使できる次世代のアーキテクチャ=グランドデザイン(全体設計)が必要だ。「最新のICTを生かした事業変革、新サービス創造」が目的である。

 2章以降で、その具体像を明らかにしていく。ただしそこで述べることが確定版ではない。ICTは日々、急速に進化、発展している。それに合わせて情報システムのグランドデザインも変わっていくからだ。富士通としては、その都度、情報をアップデートしていく考えである。


筆者(共著)

●中村 記章
富士通 デジタルビジネスプラットフォーム事業本部
副本部長 

●大石 卓哉
富士通 デジタルビジネスプラットフォーム事業本部
ビジネスプラットフォームサービス統括部 シニアマネージャー(戦略企画担当)

●田口 潤
インプレス IT Leaders 編集主幹

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