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[インタビュー]

いざ実践! ワークスタイル変革プロジェクト「成功の秘訣」―プロマネ手法、先進事例、期待のRPA

ワークスタイル変革を「ただの掛け声」で終わらせない![後編]

2016年11月2日(水)池辺 紗也子(IT Leaders編集部)

組織全体で生産性を高め、イノベーションを生み出す真のワークスタイル変革を実現するためには何が必要なのか。前編では、PwCコンサルティングの井手健一氏に、ワークスタイル変革の重要性が高まるに至った背景、企業での現状、求められる考え方、基本要素について解説してもらった。後編は、実践編として、ワークスタイル変革プロジェクトを成功させるための有効なアプローチを紹介する。

>> ワークスタイル変革を「ただの掛け声」で終わらせない![前編]はこちら

変革プロジェクト推進の軸となる「チェンジマネジメント」

写真1:PwCコンサルティング シニアマネージャーの井手健一氏

 PwCコンサルティングが、企業・組織の変革を成功させるために行っている活動が「チェンジマネジメント」だ。チェンジマネジメントは経営改善手法の1つで、チェンジ(すなわち、変革)によって発生するあらゆる抵抗に対して適切に対処することで、当初期待していた効果を出すための一連の取り組みを指す。井手氏(写真1)は、この手法をワークスタイル変革プロジェクトの軸にして推進することができると説く。

 チェンジマネジメントに基づく変革プロジェクトは、以下の4つの観点から臨むことになる。

  1. 上層部のスポンサーシップ
  2. 組織分析
  3. コミュニケーション
  4. トレーニング

 1つ目の「上層部のスポンサーシップ」は、井手氏によると4つの中で最重要だという。完全なボトムアップで組織の変革が成功することはまずなく、経営陣が、なんとしてでも変革を成功させなければならないという意識を全社に対してトップダウンで発信することでプロジェクトが始動の途につく。

 2つ目が「組織分析」である。導入しようとする制度やシステムによって、どういった人にどういった影響が生じるのか、それぞれの役職に応じて、変革によってどういう影響が出るのかということを分析することが必要となる。例えば、これまでのビデオ会議システムであれば、海外と打ち合わせをするときも部下に一声かけて設定させていたような上司であっても、例えば、「Googleハングアウト」を導入した場合、自分で設定しなければならないなどの細かい部分である。

 その分析を基に、あなたには今後こういうことをやってもらうという「コミュニケーション」を取り、納得してもらったうえで、そのために必要なプログラムを考えて「トレーニング」を行う、というのが変革プロジェクトを駆動する一連の流れとなる。

 実際、プロジェクトを進めるにあたっては、組織分析を行った際に、その取り組みに対してポジティブな人かつ周囲の人たちに影響力を持っている人を特定し、プロジェクトチームを組成していくことも必要となるだろう。

 「チェンジマネジメントはスポンサーシップと組織分析にかかっています。組織分析さえしっかりしていればコミュニケーションとトレーニングはうまくいきますし、上層部によって正当化してもらえれば、現場の人が変革を受け入れる土壌が生まれるのです」(井手氏)

 例えば、富士フイルムホールディングスでは、ツールの導入に際して、専門家による講演や実際のビデオ会議のデモなどを盛り込んだ、賑やかなイベント要素のあるキックオフイベントを開催し、予想以上の数の社員に参加してもらうことができたという。その後も、地方の事業所を複数回フォローアップセミナーを行うことで、ツールの定着を図っている。これは、チェンジマネジメントに基づいて企業の変革を成功させた好例だ。

 もし、チェンジマネジメントがしっかり行わなかった場合、たとえ最新のツールを導入したとしても、「俺はこれまでどおりこれを使う」というような社員が多くなり、部分的な導入にとどまってしまいがちだ。意気込んで導入したものの、結局、社内に“塩漬け”状態になってしまったツールがあるかと問われたら、心当たりのある人も少なくないのではないだろうか。

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