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Lenovo Tech World Japan 2023 特別対談
「レノボ×マイクロソフト」が語る生成AI活用の“現在地”と“近未来”

2023年12月20日(水)

レノボ・ジャパン合同会社とレノボ・エンタープライズ・ソリューションズ合同会社の共催による、コンピューティングの近未来像を提示する年次カンファレンス「Lenovo Tech World Japan 2023」が12月5日、東京・港区で開催された。今年のメインテーマは、「企業や組織、個人を問わない、あらゆるユーザーのAI活用」を意味する「AI for All」。本稿ではそこで行われたレノボ・ジャパン 執行役員副社長の安田稔氏と、日本マイクロソフト 業務執行役員 デバイスパートナーセールス事業本部 事業本部長の佐藤久氏による「Bring AI to You」と題した講演、さらに両氏の対談を中心に、AIが引き起こすであろうインテリジェントな変革の中身や、レノボやマイクロソフトでのAI活用の支援の“今”に迫りたい。
提供:レノボ・ジャパン合同会社

ThinkPadが生成AIの力を従業員に届ける!

 講演の冒頭、レノボ・ジャパン 代表取締役社長 檜山太郎氏はこう訴えた。

 「AIは決して目新しいコンセプトではありません。ただし、現在進行形で進化する生成AIは、人に寄り添い、能動的に提案や予測を行う点で、過去のAIと一線を画します」

 例えば会議の開催である。時間が来るとAIが参加者個々に最適な会議ツールを立ち上げ、議題を基に必要な資料を提示する。議論時には手話なども含めた各種言語を母国語に翻訳し、必要に応じて音声で読み上げる。

 「AIの寄り添いが言葉などの業務の多様な“壁”を打ち崩し、従業員の人でしかできない業務への注力を実現します。それが人の価値創出力を高め、そこでの新たな価値が社会や産業の発展を前進させます」(檜山氏)

レノボ・ジャパン 代表取締役社長 檜山太郎氏

 その推進の支援におけるレノボの強みが、「ポケットからクラウドまで」の広範な商品ラインナップだ。AR/VRヘッドセットやエッジサーバーなどの多様なデバイスは、場面ごとの最適なAIのインタフェースや稼働基盤として機能する。中でも、レノボ・ジャパン 執行役員副社長の安田稔氏が、今後の従業員のAI活用支援を担う存在として紹介したのが、30年以上にわたり進化を続ける同社のノートPC「ThinkPad」だ。「ThinkPadは『企業の生産性向上』を目標に、イノベーションや技術の種を組み入れ続けています。クライアントPC体験を更に高めていく上で、AIの活用は必然と言えます」と力を込める。

レノボ・ジャパン 執行役員副社長 安田稔氏

AIやNPUの実装も着々と

 ThinkPadでは、カメラを活用した画像認識をクライアントPC内で行うことでユーザーの離席時に自動的にPCをロックし、場所を問わない働き方とセキュリティやプライバシーを両立させる「Computer Vision」技術や、Webカメラの写りや画角を自動的に最適化するテクノロジーをすでに一部で導入済みだ。安田氏は、「推論を得意とするNPU(Neural network Processing Unit)の搭載も一部製品で既に始まっています」と強調する。

 「NPUがPCに実装されることで、クライアント(ローカル)で処理可能なワークロードの幅が一気に広がり、消費電力削減にも貢献します。従来、クラウド側との連携なしに利用が難しかったシーンでのAI活用が緒に就き、オフィス外までの仕事の見直し、時間の使い方が変わってくることが予想されます」(安田氏)

AIがいつでも使える環境になることで働き方にも多大な変化が生じる
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 日本マイクロソフト 業務執行役員 デバイスパートナーセールス事業本部 事業本部長の佐藤久氏は、AIによる仕事の変革の一例を、同社のAIサービス「Microsoft 365 Copilot」のデモンストレーションの形で披露。数百ページの英文の年次報告書から、日本語での要約やプレゼンテーション資料が佐藤氏によるAIとの対話形式の指示(プロンプト)で次々と作成される模様について、参加者は興味深そうに、だが、真剣な面持ちで見入っていた。

日本マイクロソフト 業務執行役員 デバイスパートナーセールス事業本部 事業本部長の佐藤久氏

データ管理がAI活用の前提であるものの……

 ThinkPadでのAI活用やMicrosoft 365 Copilotからも分かる通り、AIはすでに手の届く存在となった。では、企業や社会でAI利用が今後、どう進み、そこで直面する課題をどう打開していくのか。講演後の舞台裏で安田氏と佐藤氏が考えをぶつけ合った。(以下、敬称略)

佐藤 企業で今後、生成AIの活用が広がることは間違いありません。生産性を大きく高められる点を見過ごす手はないでしょう。メリットをできる限り早く、広く享受してもらうべく、当社ではWindows 11でCopilot in Windowsを、クラウドサービスでMicrosoft 365 Copilotをすでに提供しています。さらに多くのユーザーにCopilotの良さを理解いただくために、Windows 10ユーザーにもCopilotを提供する予定です。

 「世界一オープンなクラウドサービスを提供する」という目標の下、ハードウェアからSaaS、アプリまでの全レイヤーでAIに関する開発環境も提供しています。企業のAIに対する関心の高まりから、Azure Open AIを活用したパートナーや企業独自の利用が進んでいる中、さらに生成AIの活用を加速させるためにローコードで実現する開発ツール「Copilot Studio」を発表しました。

 社内のデータをクラウドベースの生成AIにアップロードする事に不安を感じるユーザーもいますが、Microsoftが法人向けに提供するCopilot in Windowsは業務データの保護を保証しておりますので、マイクロソフトがお客様のデータを閲覧したり、他の目的のために利活用したりする事は一切ないサービスとなっているのでコマーシャルの領域でも安心して利用頂けます。

Copilot in Windowsがリリースされたことで、個人も企業も生成AIを利用しやすい環境になった
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安田 私としては、個人と企業の双方での試行錯誤を通じてAI活用が広がると見ています。AIをどう使うかの議論はこれからが本番でしょう。

 ただ、その前段として、企業でデータがどう管理されているかが気がかりです。日本企業の多くは現状、いわゆるデータ管理を十分に行えていません。社内のどこに、どんなデータが存在し、それらの利用/アクセスをどう適切に制御するか。これらの長らく指摘されてきた課題に対応できている日本企業はむしろ少数派というのが実感です。

クラウドの稼働基盤はエッジにまで急拡大

佐藤 AI活用はデータが鍵を握るだけに、ご指摘の問題は実態として確かに悩ましい。都度、データを探したり、利用の可否を判断したりするのは面倒で、判断ミスによる機密データの学習は、情報漏洩の原因にもなり得ます。AI利用に乗り出すには今一度、データ基盤の整備に立ち返る必要があります。社内データをまずは棚卸し、Azure Entra ID (旧Active Directory)などのツールで、データごとのアクセス制御を人の作業を使わずに動的に管理できる環境を整えねばなりません。

安田 そのうえで、佐藤さんのご指摘の通り、生産性向上は企業におけるAI活用のドライバーであることは間違いないでしょう。単純作業をAIが肩代わりし、従業員は人でしかできない仕事に打ち込めるようになり、時間の使い方が抜本的に改善されます。

 そこにぜひ、付け加えさせてもらいたいのが、AI利用を加速させる要素としての稼働基盤となるデバイスの進化、具体的にはNPUの実装による恩恵です。講演でも述べましたが、AIの活用シーンが格段に広がり、将来的には多くの社員がリアルタイムに近いかたちでクラウドに完全に依存することなくAIの恩恵を受けられるようになるでしょう。結果的に、従業員満足度は確実に高まるはずです。AI活用の本格化に向けて24年はNPUを搭載したデバイス性能が注目を集める年になるでしょう。

佐藤 当社ではクライアントOSからソフトウェアやウェブ、クラウドまでのすべてAIを活用出来る環境を用意しています。ハードウェア側でNPUが搭載されていくと、AIの活用シナリオがさらに広がっていきますね。

安田 ただ、そうなると新たな課題も浮上します。一番が異なる場所で稼働するAIの管理です。当社でもAIはこれから、プライベートクラウドやデバイスエッジなどにオフロードされると考えています。AIで必要とされるリソースの膨大さからクラウドではコストの問題を避けられませんし、現場には従業員のPCやプライベートクラウドでのみ管理されているデータも膨大に存在します。

AIの使いこなしは考えるほど「難しくない」

佐藤 場所を問わず利用できるクラウドは便利な反面、当社もCopilotの提供のために膨大なコストを負担しています。データの配置する場所や計算処理をする場所は適材適所で分散していくのが自然でしょう。

安田 とはいえ、企業や組織、個人のそれぞれでセキュリティに求めるレベルや処理するデータ量が異なることが厄介です。つまりは、AI活用を推進するには、利用するAIすべてを安全かつ効率的に管理する手法を見出す必要があります。当社の策は、AI利用をワークロードのユーザー別に「Personal」「Private」「Public」の3つのレイヤーで捉えての、個々の要件ごとに追加学習を行った基盤モデルの採用や、アクセス制御などを狙いとしたネットワーク構成の見直しです。ひいては、各レイヤーのAIでの安全を確実に担保したうえで、目的別にAIを最適化していけます。

Personal、Private、Publicの3つのレイヤーでAIワークロードを整理することで、安全なAI活用を実現
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安田 もっとも、こうしたアプローチでAIの“管理”は実現できますが、実際問題として多くの企業が、そもそも「どうすればAIを使いこなせるか」という次元の違う悩みを抱えています。そこでぜひ、この問題にどう向き合うべきかについて、ローコード開発基盤「Copilot Studio」の経験を基にした佐藤さんの考えをお聞かせもらいたい。

佐藤 AI活用ではIT人材の話が何かと指摘されます。外部登用は昨今の人材不足から困難で、自社育成には時間を要します。

 ただ、そう難しく考える必要もないでしょう。事実、私自身、データサイエンティストではありませんが、Copilotを相当高いレベルで使いこなして実際に日常の業務で活用しています。AIサービスの利用ならプロンプト、つまりAIに問いかける質問の方法をきちんと理解できれば十分で、人材育成もそう難しくありません。今後提供が開始されるCopilot Studioでも、事前に用意された1000以上の設定をクリック操作で設定するだけで、ローコードでCopilot開発が可能になります。

 それより社内にあるデータの利活用とその管理が大事です。生成AIは革新的なテクノロジーですが、正しいデータを活用できる環境を整備しないとAI活用は“絵に描いた餅”に終わってしまいます。

自社業務だからこそ理解できるAIの“凄み”

安田 その文脈で言えば、AIの生成物を検証する人材も重要になりますね。現在のAIは信頼性の高そうな誤情報も生成します。各領域のプロでなければ嘘を見抜くのは難しい。育成は今後の課題となりそうです。

 ともあれ、当社は企業のAI活用で少しでも力になれるよう、デバイスやネットワーク、サーバーなど多様なデバイスを組み合わせ、導入しやすいシステムとして提案を進めます。お客さまに実際に活用いただく段階では、ぜひとも蓄積が豊富なマイクロソフトの協力を仰ぎたい。各種事例はAI利用を検討する企業にとって貴重な参考情報になりますし、NPUの生産性向上効果の明確化にも確実に寄与します。

佐藤 お声がけは当社としても大変光栄です。PoCを通じて、ぜひ、多くの企業に、自身の業務でAIのすごさを実体験してもらいたいですね。勝手知ったる業務だからこそ各種の課題解決力の大きさを肌感覚で理解できるはずです。

 多様なアプリに埋め込まれる当社のCopilotと、NPU搭載ThinkPadによるAI時代の新たな業務像を、ともに開拓していければいいですね。


●お問い合わせ先

レノボ・ジャパン合同会社
URL :https://www.lenovojp.com/business/techworldjapan/

Lenovo Tech World Japan 2023 特別対談 「レノボ×マイクロソフト」が語る生成AI活用の“現在地”と“近未来”レノボ・ジャパン合同会社とレノボ・エンタープライズ・ソリューションズ合同会社の共催による、コンピューティングの近未来像を提示する年次カンファレンス「Lenovo Tech World Japan 2023」が12月5日、東京・港区で開催された。今年のメインテーマは、「企業や組織、個人を問わない、あらゆるユーザーのAI活用」を意味する「AI for All」。本稿ではそこで行われたレノボ・ジャパン 執行役員副社長の安田稔氏と、日本マイクロソフト 業務執行役員 デバイスパートナーセールス事業本部 事業本部長の佐藤久氏による「Bring AI to You」と題した講演、さらに両氏の対談を中心に、AIが引き起こすであろうインテリジェントな変革の中身や、レノボやマイクロソフトでのAI活用の支援の“今”に迫りたい。
提供:レノボ・ジャパン合同会社

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