[インタビュー]

Tableau成功の秘訣はユーザーコミュニティにあり

2018年5月15日(火)杉田 悟(IT Leaders編集部)

世はまさにビッグデータ時代。IoTやAIなどデジタル技術の普及により、世界のデータ量は向う10年で20倍にまで膨れ上がるという予測もある。膨れ上がったデータは、活用の場を求めアナリティクスソフトの元に集まる。分析を司るBIツールも、マーケットサイズは向う3、4年で2倍のサイズに急成長するとされる。これは金額にして350億ドルにのぼる。そのBIツールマーケットで、リーダーとして揺るぎない地位を築いているTableau(タブロー)Software。なぜ、多くの企業がTableauを使い続けるのか。5つのの秘密をグローバルセールス・エグゼクティブバイスプレジデントのダン・ミラー(Dan Miller)氏が教えてくれた。

 ビッグデータやIoTなど、データを分析する機会の急増で盛り上がりを見せるBIツールだが、マーケットを見ると、ここ数年でERPやDWH(データウェアハウス)との組み合わせで活用する従来のエンタープライズ型BIツールから、ユーザー自ら使用できるセルフサービスBIツールへと完全に主役の座が移った感がある。

写真1:Tableau グローバルセールス・エグゼクティブバイスプレジデントのダン・ミラー氏

 ガートナーのマジッククワドラントの「Analytics and Business Intelligence Platforms」では、ここ数年セルフBIツールの「ビッグ3」であるTableau、Qlik、Microsoft Power BIがリーダーの地位を守り続けている。中でも世界で約7万社が使っているというTableauは、セルフBIの代名詞的捉え方をされ、マーケットの牽引役となってきた。

急成長を支える5つのポイントとは

 グローバルセールス・エグゼクティブバイスプレジデントのダン・ミラー氏(写真1)は、「Tableauはマジッククワドラントにおいて、8年連続でリーダーに選ばれているが、未だに急成長を続けている5つのポイントがある」という。

ポイント1. 最も頻繁なイノベーションサイクルを持っている

 Tableauでは常に先進的な技術の開発に取り組んでおり、クオーターごとに新機能を発表している。例えば、2017年だけでも、マッピング機能やデータ統合・クリーニング機能、機械学習搭載によるスマートリコメンデーション機能を発表している。2017年8月には、自然言語クエリのテクノロジーベンチャーであるClearGraphを買収、インサイト検索を自然言語で行えるようにした。

 2018年1月にリリースした最新バージョンの「10.5」では、新データエンジン技術の「Hyper」を搭載したほか、Linux上で動作する「Linux版Tableau Server」、ボタンにカーソルを合わせると使用方法などをポップアップウィンドウで表示する「ツールヒント」にビジュアライゼーションを埋め込む機能などを、2018年4月には、分析用のデータを整形するデータ・プレパレーション機能の「Tableau Prep」を発表するなど、新機能が次々と搭載されている。

ポイント2. 接続できるデータソースが最も多い

 ミラー氏曰く「Tableauは、最も多くのデータソースと接続できるBIツール」だ。正式なデータコネクターは60を超えている。データソースとなる主だったソフトウェア、ミドルウェアの大半をカバーした。

 加えて、2017年に発表した「Extensions API」が、利用の幅を更に広げた。APIを公開してサードパーティー製品とTableauを接続しやすくした。ユーザーがTableau内で、コネクターが用意されていないサードパーティー製品のデータを操作、つまり"マッシュアップ"できるようになった。ミラー氏は「データコネクターの数を更に増加させる一方で、API連携も積極的に進めていく」意向を明らかにしている。

ポイント3. 最も使い易い

 Tableauといえば、米国のアニメーション制作会社Pixarの創業メンバーのひとりが創業者に名を連ねることで知られるが、何といってもその強みは卓越したビジュアライゼーションにある。たいていのユーザーが、小1時間手ほどきを受ければ使いこなせるようになるといわれるほどのコンシューマーライクな操作性が、一般的な業務ソフトと一線を画する要因となっている。

 そのベースとなっているのが、「VizQL」という技術だ。ドラッグ&ドロップというコンシューマーライクな操作だけで高度なビジュアライゼーションを作成できるクエリ言語で、Tableauのビジュアライゼーションを支えてきたキーテクノロジーといえる。

ポイント4. 展開の柔軟性

 "展開の柔軟性"とは、オンプレミス、クラウドなど様々な環境で利用できること。関連して、2017年6月に発表した「Tableau Bridge」は、オンプレミスに保存されているデータをTableauのクラウドサービスから直接利用できるようになるもので、企業にまだ多く残されているオンプレミス資産の有効活用を可能にする。

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