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[オピニオン from CIO賢人倶楽部]

情報システム子会社の戦略的ポジション

鴻池運輸 ICT推進本部 執行役員本部長 小河原茂氏

2019年10月16日(水)CIO賢人倶楽部

「CIO賢人倶楽部」は、企業における情報システムの取り込みの重要性に鑑みて、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)同士の意見交換や知見を共有し相互に支援しているコミュニティです。IT Leadersは、その趣旨に賛同し、オブザーバーとして参加しています。同倶楽部のメンバーによるリレーコラムの転載許可をいただきました。順次、ご紹介していきます。今回は、鴻池運輸 ICT推進本部 執行役員本部長 小河原茂氏のオピニオンです。

デジタル変革期にIT子会社は欠かせない存在になる

 先日、大手小売業の社長およびCIOの方と会食する機会がありましたが、システム内製化の必要性と、情報システム子会社設立の話題がほとんどでした。取り巻くビジネス環境と取り組むべき事業変革においてはIT戦略やITの強化が不可欠。しかし、従来からの情報システム部門の位置づけや役割、特にITベンダーやITコンサルに依存してきた体質では変革を担うのが難しいし、できないのでは?──という疑問からのお話です。このような機会に限らず、IT子会社について聞かれたり、議論したりすることは少なくありませんので、ここで筆者の考えをご説明したいと思います。

 まず、大手企業における情報システム子会社の役割については、従来、ベンダー管理やシステムの保守・運用など、社内ITの実働部隊としての位置づけが主でした。しかしITインフラがクラウド化し、アプリケーションの構造がマイクロサービスになって運用の自動化が進む中、IT部門と同じくIT子会社も自らの役割の変革は待ったなしです。

 それだけではなく、新たなデジタル技術や先端技術にキャッチアップしないIT子会社は、もはや不要だという見方さえあります。しかしながら筆者は、今後のIT戦略においてIT子会社は欠かせない存在であると考えます。そのように考える理由を当社グループの実態と戦略を踏まえてお話したいと思います。

 鴻池運輸のIT責任者に着任した1年半前、筆者は、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」「事業多角化と変革への対応」「グローバルガバナンス強化」という3つのIT戦略を掲げました。同時並行で既存ITに内在するさまざまな課題も解決する必要があります。

 これらをどうやって実行すればよいのか。検討の末、重要なWeapon(実行部隊)としてITプロフェッショナル組織の創設が急務と結論し、3カ月後の2018年7月に大手SI企業との合弁事業としてIT子会社、コウノイケITソリューションズ(KITS)を設立しました。IT子会社の目的や役割は企業によって、また情報システムの変遷によって異なると思いますが、具体的に整理すると、当社グループにおけるKITSの役割を以下の4つに集約しています。

●Next:グループの経営課題に向けて、IT子会社はどんな役割を担うべきか

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