[市場動向]

規模の経済、パッケージの解体、勝者総取り―教育の既存秩序を塗り替えるMOOC

2013年9月25日(水)三国 大洋

最近よく耳目にするようになった「MOOC(Massive Open Online Course:大規模オープン・オンライン・コース)」。提供プラットフォームや参加大学・講師の数が世界規模で増加を続けるMOOCには、単に最先端のオンライン教育の仕組みというだけでなく、さまざまな既存の枠組みを取り払う破壊力をもった動きだと筆者は見ている。以下、MOOCを理解するうえでの主だった観点を挙げてみたい。

規模の経済がはたらく市場

 スタンフォード大学やマサチューセッツ工科大学、ハーバード大学といった米国の名門大学の講座が出揃って以降、MOOCの知名度と注目度が急速に高まっている。各MOOCプラットフォームが提供する講座は多種多様だが、IT Leadersの多くの読者が関心を持っているであろうコンピュータサイエンスの分野においても基本から応用まで、世界トップクラスの講師陣の授業を受けられる環境が整いつつある。

 このMOOCという事象を考察するうえで、気を付けておくべき点をいくつか書き出してみる。まず、MOOCの台頭をディスラプター(Disruptor:ある分野での既存秩序を大きく塗り替えるもの)として捉えると、直接的な影響を受ける(高等)教育機関のほかに、そこから生み出される労働力への影響にも注意する必要がある。

 その上で、まっさきに思い浮かぶのは、「規模の経済」の力あるいは有利さといったものだ。広義の英語圏の人口をざっと10億と仮定すると、これに太刀打ちできそうなのは中国語圏、スペイン語圏、あるいはイスラム語圏くらいしか思いつかない。

 さらに、各技術プラットフォームに乗っかる各大学や講師個々人にも、より大きなリターンが見込めるほうへと流れる(場合によっては取り合いになる)だろうから、その点では今のプロスポーツや芸能の世界と似た「スーパースター」「所属チーム/レーベル」、そして「配信チャネル」(テレビやネットなど)といった構図になる可能性が考えられる。

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