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超高速開発ツールはWebアプリケーションに革新をもたらすか!?

2014年3月4日(火)

Webベースの業務システムをできるだけ短期間に開発できないものか─。こうしたニーズにおいて関心が高まっているのが、世に「超高速開発ツール」と呼ばれ、業務要件などを定めればソースコードを自動生成するタイプのツールだ。とはいえ、カタログスペックだけを見ても、各ツールの特徴や違いがなかなか分からない。そこで第3回を迎えた「超高速開発コミュニティセミナー」(主催:超高速開発コミュニティ)では、GeneXus、Wagby、Web Performerの3製品を一堂に集めた「ライブ・ディベロップメント」を実施。各ツールの特性や差異を明らかにするともに、今後の本格的な普及に向けた課題を示した。

環境変化への俊敏な対応が求められる~ソフトウェア開発の課題を克服せよ

企業ITにおいて、ハードウェアやネットワークは著しい性能向上を遂げてきたが、一方でソフトウェア開発や運用保守に大きな革新はなく、旧態依然とした属人的かつ労働集約的なやり方が今なおまかり通っている。そのため、生産性の向上は思ったように進まず、システム開発プロジェクトの成功率は必ずしも高いとは言えない。経営サイドから求められる「ビジネス環境変化への俊敏な対応」というテーマに対し、システム面から十分にサポートできずにいるのが実情だ。

この課題を直視し、業務アプリケーションのソースコード自動生成ツールなどを提供するIT企業13社が発起人となって、「超高速開発コミュニティ」が設立されたのは2013年8月のこと。各社はマーケットではライバル関係にあるが、「より高い生産性をもたらす開発ツールや開発メソドロジーの活用を啓蒙していく」という使命に共鳴し、ソフトウェア開発の課題解決に向けて共に活動していくことで足並みを揃える。今後、ユーザー企業にも積極的なコミュニティ参加を求めつつ、情報交流の促進と超超高速開発ツールの利用拡大を通じて、企業の活力向上とアジリティ向上に寄与していく考えだ。

そうした普及活動の一環として開催しているのが「超高速開発コミュニティセミナー」である。第3回を迎えた今回は、「GeneXus, Wagby, Web Performer 徹底比較-自動生成ツールの効果的な使い方」をテーマに、ベンダー3社の代表者によるデモンストレーション(ライブ・ディベロップメント)が行われた。

超高速開発ツールをリードする主要3製品が直接対決

最初に登壇したのは、Web Performerの開発・販売元であるキヤノンソフトウェアの宮﨑陽子氏である。

キヤノンソフトウェアの宮﨑陽子氏

累計導入社数300社を超えるWeb Performerは、業務要件や実装要件などの基本設計情報をリポジトリに登録するだけで、業務用Webアプリケーションを開発できることを特徴としている。「具体的には、スキーマ情報(データモデル)、画面情報(入出力)、業務ロジック(ビジネスプロセス)をもとに、マルチブラウザならびにスマートデバイスに対応した100% Pure Javaプログラムを自動生成します」と宮﨑氏。さらに、ワークフローオプションやRIA(Rich Internet Application)開発のためのAdobe Flexオプションといった拡張機能を組み合わせることで、より広範な利用目的に対応したアプリケーションを開発することができるとする。

これにより、Java開発工程における「詳細設計」「プログラミング」「単体テスト」の作業負荷を大幅に軽減し、高速開発に貢献する。また、業務知識とDB設計知識さえあればアプリケーション開発にあたることができ、Java特有のオブジェクト指向に関するスキルを意識する必要はない。「このため習得が容易で、7割のユーザーが2カ月程度の短期間で活用できています」と宮﨑氏は語った。

続いて登壇したのは、南米ウルグアイのアルテッチ社が開発したGeneXusを担ぐウイングの周佐 匡芳氏だ。

ウイングの周佐 匡芳氏

データ項目や画面、業務ルールといった設計情報を入力するとJavaやC♯、Rubyのソースコードが自動的に生成され、これと同時に各種DBに対応したテーブル定義情報も自動的に作成できるのがGeneXusの特徴である。また、自動生成だけでなく、他システムとの連携や他システムで利用しているデータベース連携なども比較的容易であり、システム規模の柔軟性にも応えられるGeneXusである。

周佐氏は、「GeneXusは、業務要件をナレッジベースと呼ばれる形で保持し、その環境に合わせた技術要素(プログラミング言語やDBなど)を選択することで、システムを自動生成します」と紹介するとともに、「DOA(データ中心アプローチ)の考え方を理解することで、より効率的なアプリケーション開発が可能になります」とアドバイスした。

また、GeneXusとは10年になる実績を持つウイングは、60件以上のシステム開発、開発指導、教育プログラムもあり、生産業務管理や通販業務、小売業務、予算管理業務などのビジネステンプレートを豊富に用意している。スピード要件に応えるだけではなく、中堅、大手基幹業務アプリケーションの開発にも十分に対応できることを示した。

トリを務めたのは、Wagby(開発元:ジャスミンソフト)の販売代理店であるエフ・エフ・ソルの古宮創氏だ。

エフ・エフ・ソルの古宮 創氏

先の2製品と同様、Wagbyも設計情報から業務ルール、画面、DBスキーマなどを自動生成するタイプの超高速開発ツールであるが、データの基本操作(登録・更新・削除・検索・一覧表示・詳細表示)はもとより、「複合キー」「枝番」「ルックアップ(何層にもまたがったモデル参照関係)」「明細(繰り返し)」といった複雑な操作もすべてWebブラウザ上で行えることを特徴としている。

さらに、最新バージョンのWagby R7では標準でREST APIに対応。「任意のクライアント(フロントエンドアプリケーション)との接続が可能となり、HTTPリクエストを用いてWagbyに格納されているデータの取得や登録、更新、削除といったDB操作を行えるようになりました。これにより、Webアプリケーション開発の柔軟性はさらに高まったと考えています」と古宮氏はアピールした。

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