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“意味のある”情報やコンテンツをフル活用するEIMが、グローバル全体最適のビジネスプロセスを迅速化する

2016年3月8日(火)

企業内で増大を続けている非構造化データ。この膨大な情報やコンテンツを体系的に管理することで、これまで断片的だった情報を“意味のある”ものに変え、組織の活性化やグローバルなビジネスプロセス全体の最適化を実現できる。そのための新たな基盤となるのがEIM(エンタープライズ情報管理)だ。同分野の世界的リーダーである加オープンテキストの日本法人で代表取締役社長を務める早川典之氏に、今後の日本企業およびIT部門が取り組むべき重要ポイントを聞いた。

 企業は、さまざまなITシステムの導入によって業務の効率化を進めてきた。それが、ここにきて1つの壁に直面している。その最たるものがERP(統合基幹業務システム)だ。ベースとなる財務会計こそパッケージの標準機能を採用しているが、その他の生産管理や販売管理、在庫管理、人事といった基幹業務については独自のカスタマイズやアドオンを積み重ね、自社に個別最適化されたシステムを構築してきたからである。

ERPはできる限りシンプルであるべき
アドオン部分は外出しにするのが得策

さまざまな情報やコンテンツが、どのようなプロセスを経て作られ、なぜそこに存在するのかをすぐに理解できなければ、正確な意思決定を下せない」と語るオープンテキスト株式会社 代表取締役社長の早川典之氏

  その結果、ERP本体をバージョンアップするたびにアドオン部分まで丸ごと作り直さねばならないなど、既存システムのメンテナンスのために費やされるIT部門の作業工数やコストの負担は増すばかりだ。

 グローバル化に乗り出した企業にとって、この問題はさらに大きくのしかかる。これまでは社内やグループ会社との情報のやり取りだけ考えていればよかった。それが、M&Aによって自社の傘下に入った海外拠点や、さらにはその取引先など、異なるシステムを利用している多様な企業との情報連携が欠かせなくなってくる。個別最適によって硬直化したERPで対応するのは、もはや不可能に近い。

 この課題解決のために求められるのが「EIM(エンタープライズ情報管理)」である。同ソリューションの世界的リーダーとして知られる加オープンテキストの日本法人 代表取締役社長である早川典之氏は、次のように語る。

「今後の企業は、国境をまたいだバリューチェーンを考慮した全体最適の業務プロセスを作らなければなりません。そのためにもERPはできる限りシンプルであるべきです。これまでカスタマイズやアドオンで作ってきたアプリケーション部分はERPの外に出し、疎結合で連携させるほうが得策です。これによりビジネスの変化に容易に追随できると同時に、IT部門はメンテナンスの呪縛から脱して負荷軽減やコスト削減を図れるのです。これを実現する新たな基盤となるのがEIMです」

断片的だった情報やコンテンツに
“意味のある”視点を持たせる

 オープンテキストの創業は1991年。カナダのウォータールー大学で検索エンジンを研究していた開発者たちがスピンアウトする形で立ち上げたベンチャー企業だった。その卓越した技術が米Yahoo!に採用されるなど世界的に注目を集めた。

 その後の同社は、数々のM&A(統合と買収)により、ECM(エンタープライズコンテンツ管理)、BPM(ビジネスプロセス管理)、CEM(カスタマーエクスペリエンス管理)、IX(インフォメーションエクスチェンジ)、Discovery(ディスカバリー)の5つの柱からなるソリューションのポートフォリオを固めてきた。

 その中には、SAP ERPを中心としたアーカイブ製品を展開してきたIXOS、コンテンツおよび帳票配信の最適化をするStreamServe、メッセージングおよびFAXクラウドサービスのエクスパダイト/EasyLink、SOAベースのBPM基盤を持つCordys、B2B
EDIデータ連携・統合などをクラウド上で支援するGXSなどがある。

 そして、これらのソリューションを複合的に連携させたものがEIMである。複雑に入り組んだ膨大な情報やコンテンツを体系的に管理する。「これまで断片的だった情報に“意味のある”視点を持たせることができます」と早川氏は語る。

EIMは、複雑に入りくんだ膨大な情報やコンテンツの体系的な管理を実現する

 注文書や請求書を例に取れば、元データはERPのデータベースに格納されているが、その案件がいつ発生し、誰が帳票を起こし、誰が承認したのかといった詳細までは把握できない。そうした一連の業務プロセスをコンテンツと共にERPの外で管理し、リアルタイムに近いスピードで参照できるようにすれば、経営者や担当部門の管理者はより的確かつタイムリーな決裁が可能になる。

 早川氏は「さまざまな情報やコンテンツが、どのようなプロセスを経て作られ、なぜそこに存在するのかをすぐに理解できなければ、正確な意思決定はできません」と強調する。

 その後のアクションについても同様だ。注文書や請求書などのデータを取引先や顧客とやり取りするには、メールやFAX、あるいはEDIなどの手段にあわせてフォーマットを加工・変換する必要がある。現場任せだった、このプロセスをIXによって標準化しクラウド上に統合すれば、作業効率を大幅に改善すると共に、情報の整合性やセキュリティに対する全社的なガバナンスを確立できる。

EIMによる情報のフル活用で
洞察に基づいたビジネスプロセスを加速

 EIMを高度に活用した事例として早川氏が紹介するのが、ある製造メーカーにおける間接部門の人事評価への応用だ。

 一般に、開発やエンジニアリング、営業といった現業部門の人材と比べ、彼らの活動をバックオフィスでサポートしている経理や総務、情報システムといった間接部門の人材は実績が見えにくく、評価が難しい。同社の実情も同じだった。さまざまな仕事に対する一人ひとりの適正や能力をきちんと把握しないことには、全社規模で最適化された業務体制は実現できない。この課題解決のために、オープンテキストのEIMを活用したのである。

 具体的には一人ひとりの担当者に対して「どんな仕事を、どれくらいのコスト(リソース)を使用し、どれくらいの時間をかけて遂行したのか」という実績値を蓄積。それを現業部門から依頼された業務を割り振る際の判断材料にする仕組みを構築した。

 同社は従前からワークフローを利用して業務を割り振ってきた。だが、従来は単純に各自の余力をもとに判断せざるを得なかった。例えば20%の余力しか残っていない担当者Aと、50%の余力がある担当者Bがいた場合、新たな業務依頼は優先的にBに割り振ることになる。

 だが、もしAが、その依頼内容については熟練者であるならば、20%の余力でもその仕事は簡単にこなせるだろう。逆にBがその依頼内容を苦手としていたら、50%の余力をフルに使っても終わらないかもしれない。であるならば、Bには別の得意としている仕事を割り振ったほうが、はるかに効率的であるのは言うまでもない。

間接部門の人事評価への応用で、モチベーションが向上した

 さらに、一人ひとりの正確な評価を基に昇給・昇格が判断させるようになったことで、間接部門全体のモチベーションも高まったという。個人の“得手/不得手”といったレベルまでビジネスインサイト(洞察)を深めた情報を活用することで、組織全体の活性化を図ることに成功したのだ。

 同じことがグローバルな取引にも当てはまる。さまざまな得意分野を持つパートナーと適材適所で連携してこそ、自社の競争力強化につなげられる。EIMは、組織活動の多くの場面において、これまでにない価値をもたらす。

 非構造化データを中心に企業が保有する情報は爆発的に増え続けている。しかし、本当の意味での“デジタル化”で成果を上げている企業は、まだまだ少数にとどまっている。だからこそ、社内業務を統合したコミュニケーションや、社外プロセスと連動するコラボレーション、データのナレッジ管理を実現するEIMの導入が急がれる。

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