[調査・レポート]

米GartnerがBIツールのMQを公開、Tableau、Microsoft、Qlikをリーダー認定

2016年2月17日(水)田口 潤(IT Leaders編集部)

ビッグデータや機械学習のような先進的なデータ分析(アナリティクス)に関心が奪われがちの昨今だが、日々の業務におけるBI(ビジネスインテリジェンス)を忘れるべきではないだろう。データに基づく意思決定が定着しているからこそ、ビッグデータや機械学習への問題意識が生まれ、その利活用が進むと考えられるからだ。ではBIを実践するためのツールは今、どうなっているのか? 米Gartnerが2016年2月4日に公開したMQ(Magic Quadrant)を見てみよう。

 2016年、BIツールの業界リーダーと目されるのはどのベンダーか?──IT調査大手の米Gartnerは、恒例となった「Magic Quadrant for Business Intelligence and Analytics Platforms」の2016年版を公開した。

「Magic Quadrant for Business Intelligence and Analytics Platforms」(2016年) 出典:米Gartner
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 周知の通りMagic Quadrant(MQ)は、横軸にCompleteness of Vision(開発思想やアーキテクチャなどの先進性、完成度)、縦軸にAbility of Execute(市場シェアなど、企業としての実行力)を設定し、Gartnerが定義する評価指標に基づいて製品ベンダーを4象限に配置した図だ。4象限とはLeaders(リーダー)、Visionaries(ビジョナリー)、Challengers(チャレンジャー)、Nitch Players(ニッチ)であり、ベンダーの位置づけをシンプルに把握できる。

 2016年版のBIツールのMQでリーダーに位置づけられたのはTableau Software、Microsoft、QlikTechの3社。このうちMicrosoftはSQL ServerベースのBIツールを持つが、今回、評価対象になったのはPowerBI、それもExcelにアドオンするPowerBIの初期版ではなく、PowerBI 2.0である。PowerBIはTableauやQlickViewと肩を並べる存在になったかに見えるが、Gartnerが強みとして評価したのはTCO(総保有コスト)の安さやビジョン。BIツールとしての機能は、まだ改善の余地がある。

 ビジョナリーにはSAS、SAP、Microstrategy、IBMといった、お馴染みの著名企業を含む10社がポジショニングされている。2015年に日立製作所が買収したPentaho、EAIからBIに事業拡大中のTIBCO Softwareもここに入る。11社がリストされるニッチには日本ではあまり知られていない企業が多いが、DomoやSalesforce、Yellowfinのように認知度が上がっている企業もある。今回、チャレンジャーはゼロだった。なおMQには掲載されない企業もあり、リーダーだから良くてニッチはダメという評価ではない点に注意が必要だ。

 ではGartnerはBIツールの何を評価したのか? MQのドキュメントによると、過去数年の間に情報システムのカバレッジがSystems of Record(SoR)からSystems of Engagement(SoE)へと拡大し、BIのニーズが定型レポートからアジャイルなアナリティクスへとシフトする中で、BIツールへの要求も変わってきたという。具体的には、事前のモデルを構築するなどデータ準備の必要性をなくしアドホックな分析を可能にする、操作性を高めて特別な習熟なしにセルフサービスで高度な分析を行える、といった要求である。

 こうした点を含めて、Gartnerは「インフラストラクチャ」、「データマネジメント」、「アナリティクス」、「結果の共有」という4つのカテゴリーで各ベンダーを評価した。それぞれ複数のポイントがあり、ざっと挙げるとインフラストラクチャには、ツールの運用管理機能やクラウド対応、セキュリティや利用者管理、データソースとの接続性などがある。

 データマネジメントには、データの意味や来歴を示すメタデータのマネジメントや、データ取得(ETL)の容易性、セルフサービスで分析データを用意できること、などが含まれる。TableauやDomoが特徴とするポイントだ。一方、BIツールの基本と言えるアナリティクスには、高度な分析機能の有無やビジュアルな分析を可能にするダッシュボード機能、モバイル利用などの項目がある。ただしアナリティクスは、ツールによる差はなくなりつつあるようだ。

 最後の「結果の共有」は、簡単に言えば分析結果を共有・議論するための機能。例えばYellowfinのツールには、分析結果や導き出したナレッジを共有・議論するのに適した「ストーリーボード」と呼ぶプレゼン機能があり、ある利用者が他の利用者やマネジャーなどに分析結果や意味を分かりやすく伝えられる。既存のBIツールではあまり馴染みがないが、Social BIという呼び方も生まれるほど最近になって関心が高まっている。こうした評価ポイントは、企業がBIツールを選定したり、リプレースしたり際の参考になるだろう。
 

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