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[市場動向]

ここまで来た2足歩行ロボット、Boston Dynamicsの新型「Atlas」の凄み

2016年2月29日(月)田口 潤(IT Leaders編集部)

今のところメカニカルなロボットは、CIOや情報システム部門の管轄外。しかし今後もそうとは限らない。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)という考え方を持ち出さなくても、技術開発が進めば情報システムの“周辺機器”として有用になる可能性は高い。CEOやCFOとの会話ネタという意味でも、ロボットの最新動向を抑えておきたい。

 荒れ地や傾斜路でも自律歩行し、兵士に代わって重い荷物を運ぶ−−。そんな軍用ロボットを開発する企業が、2013年に米グーグル(現在はアルファベット)に買収された米Boston Dynamicsである。2008年に同社が公開したロボット「Big Dog」が驚異的な性能と、ある種の不気味さで大きな関心を集めたことは記憶に新しい。

 そんなBoston Dynamicsが2016年2月23日、二足歩行のヒト型ロボット「Atlas」の新モデルを公開した(図1)。Youtubeの再生回数がすでに1000万回を上回るなど、BigDogを超えるほどの関心を集めている。百聞は一見にしかず。わずか2分42秒のビデオなので本誌読者にはぜひ視聴して欲しい。

図1:Boston Dynamicsの二足歩行ヒト型ロボット「Atlas」の概要

 同社の説明によると、新型Atlasは屋外と屋内の両方における行動、特に「モバイルマニピュレーション」を想定して設計されている。モバイルマニピュレーションとは、ロボット用に調整されていない自然な環境下における複合的な手作業を、時には人と協調して行うことを意味する(参考資料http://mobilemanipulation.org/)。同じロボットでも、産業用ロボットとは目的が全く異なるわけだ。

 それだけにAtlasは高さ(身長)が約180cm、重さ(体重)は82kgと、少し大柄なサイズ。電気だけでなく油圧で駆動され、各種のセンサーを各所に備える。バランスを取るためのセンサー群はボディや足に、障害物を避け地形を評価し対象物を扱うためにLIDER(光あるいはレーザー光によるリモートセンシング技術)やステレオセンサーは頭部に、それぞれ設置されている。

 実際にビデオを見ると、ホンダの2足歩行ロボット「Asimo」に勝るとも劣らない柔軟性や機動力を備えていることに驚かされる。雪が積もった山道を歩き、倉庫の中では段ボールの箱を棚に積み、箱の位置が変わっても追従し、倒されても自動で立ち上がり、ドアも自分で開ける。目的も開発費用も違うことは重々承知だが、ソフトバンクの「Pepper」などが、おもちゃに見えてしまう凄みである。

 ただし、どんなシーンでも、これだけの機動力を発揮するのかどうかは疑問も残る。最先端ロボットのコンペティションとして知られるDARPA(米国防高等研究計画局)の「Robotics Challenge2015」に関するYouTubeでは、課題に悪戦苦闘するロボットが少なくない。

DARPA Robotics Challenge Finals 2015 Wrap Up and Results!

A Compilation of Robots Falling Down at the DARPA Robotics Challenge

 これらの方が実態を表しているのかも知れないが、いずれにしてもR&Dが急ピッチで進んでいることは確かだ。なおヒト型ロボットとは違うし公開されて時間が経っているので見た人は多いはずだが、もしまだなら米Amazonが進めるドローンを使った宅配サービス「Amazon Prime Air」のプロモーションビデオも見ておくことをお勧めする。

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ここまで来た2足歩行ロボット、Boston Dynamicsの新型「Atlas」の凄み今のところメカニカルなロボットは、CIOや情報システム部門の管轄外。しかし今後もそうとは限らない。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)という考え方を持ち出さなくても、技術開発が進めば情報システムの“周辺機器”として有用になる可能性は高い。CEOやCFOとの会話ネタという意味でも、ロボットの最新動向を抑えておきたい。

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