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[ザ・プロジェクト]

ERP導入で身に付けたプロジェクト管理術がスマートデバイス活用を成功に導く

「攻めのIT経営銘柄 2016」選定企業のIT戦略―大和ハウス工業

2016年11月25日(金)佃 均(IT産業アナリスト)

「攻めのIT経営銘柄2016」の発表資料に、大和ハウス工業の選定事由は「スマートデバイスを活用した現場完結型のワークスタイル変革」とある。そこでいう「スマートデバイス」とはアップルのタブレット「iPad」のこと。それなら他の会社でも活用している。なのになぜ攻めのIT経営? 執行役員・情報システム部長の加藤恭滋氏に尋ねると、「その背景となっている手法が評価されたんです」という答えが返ってきた。

建築現場からの直帰率が36%向上

 大和ハウス工業がiPadを導入したのは2011年の7月。当初は住宅販売部門に300台だったが、10月には営業部門と生産の現場、計4000台規模に拡大した。その後順次増設し、現在は約1万台だ。

 同社のホームページの「過去のニュースリリース」を探すと、2011年10月に【住宅業界初 「iPad 2」を利用した火災保険契約手続の新システムを開発】があるだけだ。しかしアップルジャパンにとっては大きなトピックだったらしく、自社のサイトだけでなく、YouTubeにも活用事例の情報を掲載している。

 要点は次のようだ。

 営業担当者は現場でインテリアの色を表示したり、住宅ローンを計算するなど、建築物の発注者にプレゼンテーションができる。もうひとつは、外出先のスタッフが現場からスケジューリングや承認申請などの事務処理を行うことができる。また製品情報や営業プレゼン資料などを整理、共有できる機能もある。

 住宅工場ではパーツの追跡や製品プランの変更履歴の追跡が容易に行える。それぞれの製品にバーコードを割り当てているので、専用のスキャナで製品コードをスキャンすれば、正しい図面を呼び出すことができる。 

 iPadの導入で、顧客満足や建築作業の品質は大幅に向上した。それだけでなく、工事関係者の働き方が大きく変わった。数値で表すと、導入から1年後、現場における進捗情報のタイムリーな入力率は36%から68%へ、現場完結型業務の進展状況を示す直帰率は36%もアップしたという。

開発プロジェクトの生産性向上が「頼られる情報システム部門」の秘訣と加藤恭滋氏は語る

 「当社の仕事の現場は基本的に外なんですね。建設現場だったりお客さまの居間や会議室だったり。スマートデバイスが登場して、連絡をするために、打ち合わせをするために会社に戻るという必要がなくなる。キーワードは“どこでもオフィス”です」加藤恭滋氏は言う。

 「ただiPadは当社のシステム改革のごく一部に過ぎなかったんです。このとき、情報システム部はもっと大きな変革に取り組んでいました」

 おっと。となれば、その話を聞かないわけには行かないではないか。

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