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[イベントレポート]

デジタル変革期に注目すべきテクノロジーとクラウド/データセンターの「進化の方向」

クラウド&データセンターコンファレンス2016-17 オープニング基調講演レポート

2017年1月19日(木)伊藤 秀樹

デジタルビジネス時代に、市場での生き残りをかけた企業の取り組みを文字どおり支えるITインフラ。その構築にあたるIT部門は、先を見据えて最新のテクノロジーを取り入れたデータセンターやクラウド基盤を選ぶ必要がある。先般、東京都内で開催されたクラウド&データセンターコンファレンス2016-17(主催:インプレス)のオープニング基調講演に、Publickeyブロガー・イン・チーフの新野淳一氏が登壇。デジタルビジネスを加速するテクノロジーとITインフラを形成するテクノロジーの最新トレンドを紹介しながら、デジタル変革期にデータセンターとクラウド基盤が向かう方向を示した。

ポストムーア時代を迎えたハードウェア

 ITインフラの提供側と利用側双方にとっての課題を挙げ、今後を展望した「クラウド&データセンターコンファレンス2016-17」(アフタヌーン基調講演パネルディスカッション)。オープニング基調講演に登壇したのは、月間40万PV、ICT業界に身を置くビジネス/テクノロジーパーソンの必読メディア「Publickey」を運営する新野淳一氏だ。

 集積回路上のトランジスタ数が18カ月ごとに2倍になるという経験則を米インテルの創業者の1人、ゴードン・ムーア氏が提唱してから50年、トランジスタ製造における回路の微細化等に物理的限界が見え始めている。コンピュータは継続的な小型化、高性能化、低価格化を果たしてきたが、そうした時代が終焉を迎えようとしているのが今である。

 新野氏(写真1)はムーアの法則の次、ポストムーアの時代の到来について言及した。「近年、コンピュータの性能を向上させるための新しいアプローチやテクノロジーが次々に登場しており、サーバー、そしてクラウドを次の進化へ押し上げる推進力となっている」(同氏)

写真1:Publickey ブロガー・イン・チーフ 新野淳一氏(撮影:赤司 聡)

 ハードウェア進化の最新トレンドとして新野氏は6つを挙げた。(1)並列性を高めて性能向上を図るメニーコア、(2)ハードウェアリソースの柔軟な配分を実現するインテルのラックスケールアーキテクチャ、(3)電力当たりの性能向上を高めた低消費電力プロセッサのARM、(4)GPUの活用による単純演算の高速化、(5)プロセッサの回路を動的に最適化するFPGA(Field Programmable Gate Array)、(6)不揮発性・大容量メインメモリのストレージクラスメモリである。

 (1)のメニーコアはマルチコアの発展形として、CPUの大きなトレンドの1つとして注目を集めている。CPUクロック数の向上が限界を迎える中、並列させた多数のコアを同時に利用して処理性能を向上させる手法だ。新野氏は例として、最新のインテル Xeonプロセッサは最大22コア、HPC(High-Performance Computing)用途のインテル Xeon Phiには、64~72コアが搭載されるなど、メニ―コア化が加速しているさまを紹介した。

 メニ―コア化をさらに進化させたのが、(2)のラックスケールアーキテクチャだ。ラック全体を1つのサーバーに見立てる技術で、ラック内のサーバー、ストレージを統合すると共に、ダイナミックなリソースのアロケーションをラック規模で行うことで、最適なリソース割り当てを可能にする(図1)。

図1:インテルが提唱するラックスケールアーキテクチャ(出典:Publickey、米インテル)

 「これら新しいアーキテクチャを利用するにあたって、前者では大量のコアを効率的に動作させるためのソフトウェアが、後者ではラック全体のリソースを柔軟に組み合わせ、有効活用させるための基盤ソフトウェア、OSの実現がカギとなる」(新野氏)

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