[調査・レポート]

ITセキュリティ投資の推進力は「改正個人情報保護法」―タレスのグローバル意識調査

2017年4月19日(水)杉田 悟(IT Leaders編集部)

鍵管理や暗号化など、高度なセキュリティ対策製品を提供する米Thales e-Security(タレス)は、グローバルで行った、企業の情報セキュリティ対策についてのアンケートを分析したレポートを2017年4月19日に発表した。それによると、ITセキュリティへの投資額を増やす必要があると考えている日本企業は54%。これは、2016年調査の31%を上回る数値となったが、グローバル平均には及ばなかった。

 調査は、米国、英国、ドイツ、オーストラリア、ブラジル、メキシコ、日本という7カ国のシニアエグゼクティブ1100名(うち日本100名)を対象に実施した。そのアンケート結果を元にまとめたものを、今回発表した。

 その中で特に目を引いたのが、セキュリティに対する予算の増加について。今後12カ月で「やや」もしくは「大幅に」ITセキュリティへの投資を増加させると答えた企業の割合が、2016年の調査で7カ国中最低の31%だった日本は、今回54%まで増加した。しかし、ITセキュリティ投資の増加は世界的な傾向のようで、日本は大幅に増加したにもかかわらず7カ国中最低の割合となった。とはいえ、増加ポイントは日本が最も多く、意識の高まりを示す結果といえる。

今後12カ月で「やや」もしくは「大幅に」ITセキュリティへの投資を増加させる企業・団体(%)
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 それでは、そのセキュリティ意識の高まりの推進力となったのは何だったのか。日本企業でもっとも多かったのが、コンプライアンス要件への対応で66%だった。これは7カ国中もっとも多い数値だった。2016年の調査ではブランドの保護(35%)、ビジネスパートナーからの要件(26%)と大差ない30%だったが、2017年になって急増している。

 この要因としてタレスでは、個人情報保護法の存在があるとしている。2017年5月30日に施行される改正個人情報保護法への対応から、コンプライアンス要件がITセキュリティ投資の最優先事項になったというのだ。個人情報保護法の改正は以前から決まっていたが、2016年時点では施行までに1年間の猶予があったため、30%に止まったのではないかとタレスでは推測している。

 このようにコンプライアンス要件でのITセキュリティ投資が最も多いと答えた日本企業だが、コンプライアンス要件を満たすことがデータ漏えいの防止において、極めて効果的と回答しているのは44%で、ブラジル(71%)、オーストラリア、メキシコ(68%)、米国(64%)、ドイツ(58%)よりも低いという矛盾した結果になっている。

 タレスは、日本企業には、コンプライアンス要件の適用によるデータ漏洩防止の有効性に対して特有の懐疑的な姿勢があると指摘している。一定の予算を取って、一応の対策は取っているものの、決して満足のいく対策には至っていないと感じているという捉え方もできる。いずれにしても、他国から立ち遅れていたセキュリティ意識が徐々に高まっているのは確かなようだ。

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