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働く人々の課題を現場で解決する、コニカミノルタがエッジ型IoT「Workplace Hub」を国内で公開

2017年4月22日(土)五味 明子(ITジャーナリスト)

コニカミノルタは2017年4月19日、独ベルリンで、この3月に発表したIoTのエッジ処理用サーバー「Workplace Hub」のプレビューイベントを開催し、国内の報道陣やIR関係者などに公開した。同社代表執行役社長兼CEOの山名 昌衛 氏は「コニカミノルタ自身がゲームチェンジャーであることを示しつつ、顧客のイノベーションに貢献していきたい」と、新たなビジネスモデル確立への意気込みを見せた。

写真1:コニカミノルタの代表執行役社長兼CEOである山名 昌衛 氏写真1:コニカミノルタの代表執行役社長兼CEOである山名 昌衛 氏

 Workplace Hubは、2017年秋のリリースが予定されているIoT用のサーバー製品。コニカミノルタの代表執行役社長兼CEOである山名 昌衛 氏によれば、「Workplace Hubは人と人、空間と空間をつなげるエッジデバイスであり、パートナーと一緒に構築していくサステナブルなプラットフォームシステム」である(写真1)。ラインアップには、複合機にLinuxサーバーとAI機能を搭載した「Workplace Hub」、サーバー機能だけを搭載する「Workplace Edge」、リモートオフィスや自宅からWorkplace Hubへ安全に接続するための「Workplace Spoke」がある(写真2)。

写真2:「Workplace Hub」(左)は、複合機内にエッジサーバーを搭載し、複合機と同じスペースに設置できる。リモートワーク支援用の「Workplace Spoke」(中央)は2018年度以降に提供の予定写真2:「Workplace Hub」(左)は、複合機内にエッジサーバーを搭載し、複合機と同じスペースに設置できる。リモートワーク支援用の「Workplace Spoke」(中央)は2018年度以降に提供の予定
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 Workplace Hubは、オフィスや現場に散在するすべてのデータを集約するハブとして機能する。現在、IoTソリューションと呼ばれる製品/サービスでは、データをAWS(Amazon Web Services)などのパブリッククラウドを利用して保存・分析するケースが多数派を占めている。これに対しWorkplace Hubはデータ発生現場でのデータ集約とリアルタイム分析にこだわっているのが特徴だ。

 エッジ型、すなわち“現場での課題解決”にこだわる理由として、山名社長は(1)現場でデータ収集から分析までを行えるリアルタイム性、(2)エッジ側でデータを処理し保持することによるプライバシーの保護とセキュリティの向上、(3)クラウドにアップロードするデータを最小限にすることで通信量を抑制 の3点を挙げる。特に「必要以上にクラウドにデータをアップしない」というポリシーを徹底している点は、コニカミノルタならではの特徴だといえる。

データに基づく意思決定のためのITインフラを実現

 従来、複合機をコアビジネスとしてきたコニカミノルタ。だがWorkplace Hubでは、「販売目標○○台」とする類の製品ではなく、今後注力していくプラットフォームビジネスを展開する上での基盤に位置付ける。同社の顧客層の中心である中堅・中小企業をターゲットにする方針は変わらないものの、Workplace Hubによって顧客に提供しようとしている価値は、複合機とはさまざまな意味で異なっている。

 Workplace Hubの提供価値について、オフィス事業本部 WPH事業本部長の高山 典久 氏は、(1)ITサービスのワンストップ提供、(2)プロセスの自動化、(3)リモートワーク支援、(4)意思決定支援の4つを挙げる。まずは、IoTを導入したいけれど何から手を付けて良いかわからないという中堅・中小企業にWorkplace Hubを提供することで「ITインフラがワンストップで整備できるメリットを感じてもらうところから始めていく」(高山氏)という(写真3)。

写真3:Workplace Hubがめざすターゲットと提供価値写真3:Workplace Hubがめざすターゲットと提供価値
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 最終的には「全社規模のコグニティブなハブとしてWorkplace Hubを機能させ、サイロ化したデータを統合する役割をもたせることで、経営判断など重要な意思決定を支援できるようにしたい」(高山氏)考えで、機能やサービスをエンハンスしていく予定である。高山氏は「Workplace Hubはコニカミノルタにとってもチャレンジな事業であり、当社自身がゲームチェンジャーになるべく変化していく必要がある」と強い決意を見せる。

CiscoやSAPともパートナーシップを確立

 もう1つ、Workplace Hubが従来のコニカミノルタのビジネスと一線を画している点にパートナー企業とのエコシステム構築にフォーカスしていることがある。「コニカミノルタ1社だけですべてを提供しようとする時代は終わった」と山名社長は言う。パートナーに積極的に呼びかけ、マーケットプレイスを構築してサードパーティ製アプリケーションを展開する構想も明らかにしている。

 ベルリンでのローンチイベントでは米HPE、米Microsoft、英Canonical、英Sophosとのパートナーシップを発表したが今回、新たに米Cisco Systemsと独SAPの協業も発表した。Ciscoとはコラボレーション、フォグコンピューティング、セキュリティの3つの分野で親和性を高め、SAPとは同社のIoTプラットフォーム「Leonard」との連携が主軸になるという。

 山名社長は、「世界200万社の顧客とのつながりこそがコニカミノルタのアセットだ」と顧客とのつながりの重要性を改めて強調した。画像関連ビジネスで培った技術と信頼関係をもとに、「Workplace Hubという新しい製品で顧客企業のデジタライゼーションを支援していく」とも明言する。この背景には、コニカミノルタ自身が複合機メーカーからデジタルカンパニーへと生まれ変わるという強い意志がある。

 Workplace Hubは、過去3年間に、ITサービス事業者などを含む多くの企業を買収し、製造現場や医療現場での事業展開やPoC(概念検証)から得た知見を結集して開発した。デジタライゼーションの潮流に乗り遅れがちな国内企業にどう受け入れられていくのか、引き続き注目していきたい。

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働く人々の課題を現場で解決する、コニカミノルタがエッジ型IoT「Workplace Hub」を国内で公開コニカミノルタは2017年4月19日、独ベルリンで、この3月に発表したIoTのエッジ処理用サーバー「Workplace Hub」のプレビューイベントを開催し、国内の報道陣やIR関係者などに公開した。同社代表執行役社長兼CEOの山名 昌衛 氏は「コニカミノルタ自身がゲームチェンジャーであることを示しつつ、顧客のイノベーションに貢献していきたい」と、新たなビジネスモデル確立への意気込みを見せた。

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