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CTC、AIベンチャーと組んでAI活用のハイブリッドクラウド環境を実現

2017年10月19日(木)杉田 悟(IT Leaders編集部)

AI(人工知能)は、デジタルビジネスの一丁目一番地といえるほど、一般にも広く認知されたITキーワードだ。伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2017年10月13日、そのAI関連技術を体系化し、サービスに適用したハイブリッドクラウド環境「CTC Integrated AI Platform Stack」(CINAPS)を発表した。AIベンチャーのグリッドが協力する。

 CINAPSは、CTCが策定したAI開発関連技術を体系化した「CarLA」に対応した、AI開発のITインフラソリューション。AI向けに構成されたハイブリッドクラウドとコンバージドインフラストラクチャを短納期で提供する。

 ハイブリッドクラウド対応ということで、データレイク層からサーバー、コンテナ、オーケストレーションに至る組み合わせで、オンプレミス、クラウド双方についての検証済構成を用意した。AIフレームワークとしては、GRIDの「ReNorm(リノーム)」やオープンソースのTensorFlow、Caffeにコンテナベースで対応する。

CINAPSの構成
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 今回、CINAPSにおいてAIエンジンを提供することになったグリッドは、太陽光発電ベンチャーとして2009年に設立、現在は通信キャリアやエネルギー、金融、製造向けのAIエンジンを開発、提供している。GRIDによると、Preferred Networksとともに、国内では数少ないAI用のアルゴリズムを自社開発できるAIベンチャーの1社だという。

 CTC以外では、PwCや富士通と業務提携を結んでいるほか、伊藤忠商事、丸紅、三井物産の3商社が同時に資本提携を発表するなど、同社のAI技術は多くの企業から高く評価されている。

 CTCがグリッドと提携するようになった要因のひとつとして上げられるのが、圧倒的な人材不足。現在、IT業界全般に人材不足感が漂っているが、こと一般のIT技術者からの転向が難しいといわれるAI関連技術者に関しては、大手ベンダーといえども十分な人材確保ができておらず、今後も見通しがたたないのが現状だ。AIベンダーに関しては、本場の米国でも技術者不足が続いており、日本進出まで手が回らない状況のため、海外からの人材供給も期待できない。

 グリッドのように、アルゴリズム開発に携われる技術者を抱えるAIベンダーは貴重で、今後拡大が確実視されるAIマーケットでのビジネス機会損失を避けるためにも、同社との蜜月関係を築いていきたいという背景がある。

 グリッドが提供するReNormに関しても、AIフレームワークとしてはオープンソースのTensorFlowやCaffeが知られているが、いずれも高い技術力を必要とし、国内でのサポート体制が整っていないことからサービス利用へのハードルが高いのが現状だ。国産AIフレームワークであるReNormへの需要は高まると予測している。

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