[事例ニュース]

KDDI、au PAYとPontaポイントのシステム基盤を刷新、au PAYの決済処理速度は5倍に

COBOLをJavaに切り替えてOracle Databaseを採用

2023年3月1日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

KDDIは、「au PAY」の決済システム基盤と「au Pontaポイントプログラム」のシステム基盤を刷新した。au PAYは2022年6月から、Pontaポイントは同年8月から新しい基盤の下でサービスを提供している。COBOLからJavaへのコードの切り替えも含めて移行を1年で完了し、刷新によってau PAYの決済処理速度は約5倍に向上した。また、サービスを止めることなく新サービスを短時間でリリース可能な基盤を実現している。システム刷新を支援した日本オラクルが2023年3月1日に発表した。

 KDDIは、「au PAY」(画面1)の決済システム基盤と「au Pontaポイントプログラム」のシステム基盤を刷新した。au PAYは2022年6月から、Pontaポイントは同年8月から新しい基盤の下でサービスを提供している。COBOLからJavaへのコードの切り替えも含めて、移行を1年で完了した。

画面1:モバイル決済サービス「au PAY」の会員数は約3100万人に上る(出典:KDDI)

 KDDIによると、au PAYの会員数は約3100万人に上る。顧客の多様なニーズを満たすサービスを開発していくためのシステム基盤の整備が喫緊の課題だったという。

 システム基盤の刷新によって、au PAYは決済を処理するスピードが約5倍に向上した。Pontaポイントでは開発生産性が30%、処理性能が2倍に向上した。「決済サービス利用者の利便性も高まった。また、サービスを止めることなく新サービスを短時間でリリースできるシステム基盤も実現できた」(KDDI)。

 刷新では、COBOLからJavaにコードを切り替えて、Oracle Databaseを採用した。負荷分散と高可用性を兼ねたクラスタリング構成(Oracle RAC)で運用し、データベースの複製機能「Oracle Data Guard」も利用している。これらにより、データ処理量の増加に耐えられる性能と高可用性を確保した。また、データベース間のデータ移行ツール「Oracle GoldenGate」により、既存サービスに影響を与えることなく旧システム基盤から切り替えることができた。

 今後は、クラウド(Oracle Cloud)の利用を拡大する。Pontaポイントでは、BCP(事業継続計画)サイトの稼働基盤をOracle Cloud Infrastructureにして、2023年8月から運用を始める。

 au PAYのシステム基盤では、構築済みのオンプレミスでのBCPサイトに加え、他システムとの連携処理のオフロードや決済に関わる取引明細情報の電子保存、データ分析などを担うサブシステムでOracle Cloudを活用する計画である。2023年4月の稼働開始を予定する。

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