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ServiceNow、アプリケーション基盤の新版「Now Platform Utah」、人事など複数業務でプロセスマイニングを利用可能に

2023年4月12日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

ServiceNow Japanは2023年4月11日、業務アプリケーション開発基盤「Now Platform」の新版「Utah」を発表した。同年3月23日から提供している。新版では、プロセスマイニング機能をITサービス管理(ITSM)以外のワークフローでも使えるようにするなど機能の対象を広げるとともに、オフィススペースのリース管理などの新機能を追加した。

 ServiceNowは、ITサービス管理(ITSM)、顧客対応、従業員対応など、ワークフロー機能をベースとしたアプリケーションをSaaS型で提供している。業務アプリケーションの開発基盤(PaaS)である「Now Platform」を中核に据え、この上に用途ごとのSaaSアプリケーションを構築して提供している。

 ユーザーは、あらかじめ用意しているアプリケーション機能を利用するだけでなく、PaaS機能であるNow Platformを使って、任意のワークフロー業務をシステム化できる。Now Platformは、半年に1回のペースでメジャーバージョンアップしている(関連記事ServiceNow、アプリケーション基盤の新版「Now Platform Tokyo」を発表、従業員体験を向上)。

 今回、2023年上期バージョンに当たる新版「Utah」を提供開始した(図1)。新版では、プロセスマイニング機能をITサービス管理(ITSM)以外のワークフローでも使えるようにするなど機能の対象を広げるとともに、オフィススペースのリース管理などの新機能を追加した。

図1:業務アプリケーション開発基盤「Now Platform」新版「Utah」の主な強化点(出典:ServiceNow Japan)
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プロセスマイニング機能を各業務フローで利用可能に

 Utahリリースのハイライトの1つは、プロセスマイニング機能のProcess Optimizationを、より多くの業務に適用できるように拡張したことである。これまで分析できていたITサービス管理(ITSM)のワークフローだけでなく、人事向けのHRサービス、フィールドサービス管理、顧客サービスなど、Now Platform内の他の機能のワークフローを分析できるようにした。

 Process Optimizationを使うと、業務のプロセスを検出し、AIを利用して分析し、ボトルネックが発生している場所をピンポイントで特定する。異なるパス(経路)を比較することで、根本的な原因を特定する。プロセスを改善することで、業務の効率が上がる(図2)。

図2:プロセスマイニング機能「Process Optimization」の概要(出典:ServiceNow Japan)
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 プロセスマイニングの需要について同社マーケティング本部プロダクトマーケティング部部長の古谷隆一氏は、「多くの組織は、既存のプロセスの問題点やボトルネックを特定するための手段をほとんど持っていないのが現状」と指摘する。一方で、Now Platformは組織横断的なワークフローシステム基盤であり、業務プロセス上の問題やボトルネックの特定に必要な情報をすでに取得済みである。

 説明会では、実際に人事分野の業務フローをプロセスマイニングで分析するデモを行った。人事案件全体の処理時間が長いことで従業員満足度が下がっていることに気づいた人事担当者が、Process Optimizationを使ってプロセスを可視化し、問題の原因を特定して是正措置を講じる方法を紹介した。

 バリアント分析では、個々のケースがたどる経路に焦点を当てる。全体で2500件のケースがあり、これを234件のユニークな経路に分けて、案件のクローズに至るまでのプロセスを調べる。クローズまでの平均期間が最も長い経路(1件)は20のステップを踏んでおり、クローズまでに11カ月と1週間を要していることが分かった(画面1)。

画面1:人事案件においてクローズまでの平均期間が最も長い経路(1件)は、20のステップを踏んでいることが分かる(出典:ServiceNow Japan)
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 一方、最も数が多かった経路(565件)を見てみると、ケースを作成した後、対応し、一旦完了したものの、再び対応中に戻ってしまっている(画面2)。その後、再び完了してクローズするという経路をたどっている。クローズに至る経緯を調査して、改善する必要がある。

画面2:最も数が多かった経路(565件)では、ケースを作成した後、対応し、一旦完了したものの、再び対応中に戻っている(出典:ServiceNow Japan)
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 「プロセス分析を表示」ボタンを押すことで、プロセスマップを可視化する。最終的にクローズしたところで、また再び下から上に向かって伸びてしまっている部分がある(画面3)。

画面3:プロセスマップを可視化したところ、クローズ後に対応中へと手戻りしている線が分かる(出典:ServiceNow Japan)
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 この「完了してクローズ」から「対応中」に伸びている線をクリックして分析をドリルダウンしていくことで、プロセスを具体的に可視化して、根本原因となっている箇所を特定し、是正措置を講じることが可能になる(画面4)。

画面4:分析をドリルダウンしていくことで、根本原因を特定可能になる(出典:ServiceNow Japan)
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●Next:プロセスマイニング以外のUtahリリースの主な機能強化点

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