[事例ニュース]

「コミックシーモア」の配信基盤にMySQL HeatWaveを導入し、DWHを刷新

MySQLで1時間半かかったバッチ処理が2秒に

2023年10月30日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NTTソルマーレ(本社:大阪府大阪市)は、電子書籍配信サービス「コミックシーモア」のシステム基盤に日本オラクルのクラウド型データベース「Oracle MySQL HeatWave Database Service」を導入した。データウェアハウス(DWH)としてサービスの利用状況や売上データなどをリアルタイムに分析し、利用体験向上に取り組んでいる。日本オラクルが2023年10月30日に発表した。

 NTT西日本の完全子会社であるNTTソルマーレは、漫画作品の電子書籍配信サービス「コミックシーモア」のデータウェアハウス(DWH)として、クラウド型データベース「Oracle MySQL HeatWave Database Service」を導入した。サービス利用状況や売上データなどをリアルタイムに分析し、サービス利用体験を高めるのが狙いである。

 コミックシーモアは、2023年9月30日時点で取扱冊数121万冊以上、月間利用者数3500万人以上、ユーザーレビュー359万件超の大規模な電子書籍配信を誇る。電子書籍のレンタルや読み放題などのほか、毎月、複数の特集企画やキャンペーンを展開している(画面1)。

画面1:コミックシーモアのトップページ。取扱冊数121万冊以上、月間利用者数3500万人以上の大規模な電子書籍配信サイトである

 今回、同サービスのデータ分析基盤としてDWHを刷新した。運用管理負荷の軽減を目的に、ETLツールを使わずにMySQLとデータ同期可能な日本オラクルの「MySQL HeatWave Database Service」を導入してDWHを構築。これまで運用してきた他のDWH/ETLツールをリプレースした。

 リプレース後は、サービス配信基盤とDWHでリアルタイムにデータを同期して最新のデータを分析可能になった。また、クエリーの処理量に依存しない定額制のサービスであることから、DWH運用/データ分析にかかるコストの削減を図った。

 データ分析基盤に加え、MySQLで実行していたバッチ処理にもMySQL HeatWaveを活用している。NTTソルマーレによると、処理時間が最大で2700分の1に短縮されたという。「MySQLで1時間半程度かかっていたバッチ処理が2秒程度で完了するなど、性能の高さを実感している。通常のMySQLでは考えられない速度で処理結果が返ってくる」(同社)。

 今後は、MySQL内のデータと外部データを組み合わせて分析できるように、オブジェクトストレージ上にあるデータを高速にロードする「MySQL HeatWave Lakehouse」の活用も検討している。

 なお、MySQL HeatWaveは、インメモリー型で動作するMySQL完全互換の分散データベースである。MySQLをMySQL HeatWaveに置き換えることで処理が高速になる(関連記事クラウドDB「Oracle MySQL HeatWave」にマシンラーニング機能、SQLを介して学習・推論)。

 同データベースは、OLTP(オンライントランザクション処理)用のMySQLノード「InnoDB」とOLAP(オンライン分析処理)用のインメモリー型クラスタノード「HeatWave」で構成する。InnoDBで更新したデータをHeatWaveクラスタに透過的に伝達する。OLTPとOLAPを兼ねるため、ETLツールでOLAPデータベースにデータを移行するような処理が不要である。

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