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NTTデータ、地銀5行が共同利用する勘定系システム「MEJAR」をオープン系に移行

「PITON」を用いてアプリケーションをリホスト

2024年1月5日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NTTデータは2024年1月4日、地域金融機関5行の共同利用システム「MEJAR(メジャー)」をオープン系システムへ移行し、同日に稼働開始したと発表した。5行は横浜銀行、北陸銀行、北海道銀行、七十七銀行、東日本銀行。NTTデータが開発したフレームワーク「PITON」を用いて、業務アプリケーションに手を加えることなく、メインフレームからオープン系に移行した。

 「MEJAR(メジャー)」は、横浜銀行、北陸銀行、北海道銀行、七十七銀行、東日本銀行の5行が共同で利用している基幹システムである。2010年1月の横浜銀行のサービス利用を皮切りに、NTTデータがメインフレームによる共同利用システムとして提供してきた。今回、メインフレームで稼働していた勘定系アプリケーションをオープン系サーバー環境に移行し、2024年1月4日に稼働を開始した。

 オープン環境への移行には、メインフレームのアプリケーションをオープン環境で動かすフレームワーク「PITON(ピトン)」を用いた。NTTデータが開発した移行ツールである(図1関連記事NTTデータ、メインフレームの勘定系システムをオープン系で稼働させるフレームワーク「PITON」を開発)。

図1:「PITON」の概念図(出典:NTTデータ)
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 PITONによって、オンライン取引、バッチジョブ制御、データベース管理、通信制御、運用制御など、メインフレームの専用ミドルウェアが担っていた各種制御機能をオープン系サーバー上で代替する。これにより、業務アプリケーションに手を加えることなく、メインフレームからオープン系に移行できる。

 MEJARは2019年以降、次期システムをオープン系システムに移行することを計画し、技術およびコスト面を検証してきた。検証の結果から、2021年4月にPITONを採用した勘定系システムの開発に着手し、今回のシステム移行プロジェクトに取り組んだ。

 業務アプリケーションは、NTTデータ地銀共同センターなどで実績がある金融勘定系パッケージ「BeSTA(ベスタ)」をベースにしている。オープン系への移行後も継続利用することで、移行作業に伴うリスクを減らし、サービス品質を確保している。アプリケーションを含めたシステム資源を複数行で共用するマルチバンク方式もそのまま継続する。

 NTTデータは今後、MEJARだけでなく、ミッションクリティカル領域を中心に、PITONを用いたオープン系システムへの移行事例を増やしていく計画である。すでに、しんきん共同センターの次期勘定系システムがPITONを採用することを決定、2026年に予定するメインフレームからオープン系への移行に向けて開発を進めている。

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