[事例ニュース]

レゾナック、生成AIを用いて情報共有システム「Chat Resonac」を構築、膨大な社内資料を活用可能に

2024年1月19日(金)IT Leaders編集部

化学工業メーカーのレゾナック(本社:東京都港区)は2024年1月18日、生成AIを用いた情報共有システム「Chat Resonac」を構築したと発表した。前身の旧会社(昭和電工と日立化成)が蓄積した膨大な文書・資料を社員が活用できるようにする。同システムが世代間・部門間をつなぐ橋渡しの役割を担う。

 レゾナックの前身である昭和電工は、2020年4月に日立化成をTOB(株式公開買い付け)で統合。2023年1月より持株会社に移行し、商号をレゾナック・ホールディングスに変更。化学工業メーカーの事業会社としてレゾナックが始動した。

 旧会社の昭和電工と日立化成には約100年の歴史があり、材料開発・製造などに関する資料をそれぞれ5万点以上蓄積している。「ベテラン社員であれば、これら紙文書のファイルを閲覧したり、データベースで検索したりして利用できる。しかし若手の社員は、資料の存在自体を知らない。ベテラン社員の退職後、これらの資料が未活用文書となるリスクがある」(同社)という。

図1:蓄積した資料を対話形式で活用可能な社内システム「Chat Resonac」の利用イメージ(出典:レゾナック)
拡大画像表示

 そこで同社は、「個人の知識として集積・活用していた過去の知見を、どの社員でも活用できるようになれば技術開発を強化できる」という考えから膨大な社内資料を対話形式で活用するためのシステムに取り組み、生成AIを用いた「Chat Resonac」を構築した。同システムが世代間・部門間をつなぐ橋渡しの役割を担う(図1)。

 社内資料を外部に漏洩させない環境を整備し、ベテラン社員からのデータ提供や回答へのフィードバックを反映して社内資料に特化したチャットシステムとして回答精度を高めている。手書き文書をOCRで取り込む際の、生成AIを用いた誤字・脱字修正機能を実装している。

 システムには、社内での情報共有のための「汎用型Chat Resonac」と、制約付き資料を許可された部門のみが利用する「特化型Chat Resonac」がある。すでに20件以上が特化型として構築が進んでいるという。

 レゾナックは今後、文書の作成支援やキャリア形成支援などを対象に取り組みの領域を拡大する計画である。「AIができることはAIに任せ、人間はもっと難しいことに挑戦できる時代になった」(同社)。

関連キーワード

レゾナック / 生成AI / ナレッジマネジメント / 情報共有 / ビジネスチャット / 化学 / 製造 / 組織再編

関連記事

トピックス

[Sponsored]

レゾナック、生成AIを用いて情報共有システム「Chat Resonac」を構築、膨大な社内資料を活用可能に化学工業メーカーのレゾナック(本社:東京都港区)は2024年1月18日、生成AIを用いた情報共有システム「Chat Resonac」を構築したと発表した。前身の旧会社(昭和電工と日立化成)が蓄積した膨大な文書・資料を社員が活用できるようにする。同システムが世代間・部門間をつなぐ橋渡しの役割を担う。

PAGE TOP