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名古屋鉄道が生成AIによる社内文書検索を検証、社内報とヒヤリハット情報で一定レベルの回答

2024年2月16日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

名古屋鉄道(本社:愛知県名古屋市)と名鉄グループの情報システム会社であるメイテツコムは、社内文書の活用による業務効率化を目的に、生成AIの技術検証を日立製作所と共同で実施した。社内報や社史の情報を検索するユースケースと、過去のヒヤリハット情報を基に安全対策を検討するユースケースを評価・検証し、一定のレベルの回答が生成AIから得られることを確認した。日立が2024年2月16日に発表した。

 名古屋鉄道(本社:愛知県名古屋市)と名鉄グループの情報システム会社であるメイテツコムは、社内文書の活用による業務効率化を目的に、生成AIの技術検証を日立製作所と共同で実施した。

 2023年10月~12月の期間で、社内報や社史の情報を検索するユースケースと、過去のヒヤリハット情報を基に安全対策を検討するユースケースを評価・検証し、一定のレベルの回答が生成AIから得られることを確認した。

 ユースケースは、名鉄とメイテツコムにおいて優先度が高い業務のうち、生成AIの効果が見込まれるものを選定。日立はコンサルティング、ユースケースの検討、Azure OpenAI Serviceを用いた検証環境の構築、知識データベースの作成、導入効果の評価検証を支援した。

 施策のポイントの1つに、知識データベースの作成ノウハウを挙げている。業務ではWord/Excel/PowerPoint、PDFや紙文書のスキャンデータなど複数のファイル形式を扱い、縦書きなども混在する。名鉄らは、これらを知識データベースに取り込む方法をユースケースごとに調整することが、生成AIの回答精度向上において重要になると判断した。

 日立のデータサイエンティストが知識データベースをユースケースごとに構築した。形式が異なる文書ごとにデータの取り込み方法を工夫し、余分なノイズを除去するといった前処理を実施。また、質問に対して適切な文章を抽出できるように、生成AIが回答しやすい指示に言い換えるプロンプトエンジニアリングを施している。これらを行った結果、質問に対して一定レベルの回答を得られることを確認した。

 社内報/社史情報検索のユースケースでは、業務に合わせた知識データベースを作成したことにより、スキャンデータや縦横混在のテキストデータなどの資料からも適切に要点を抽出して、満足の行く回答が得られている。

 ヒヤリハット情報検索のユースケースでは、十数万件分のデータを統合することで、個々のデータからは得られない包括的な回答が可能になった。業務経験が浅い社員でも重要なインサイトを得やすくなっているという。

 名鉄とメイテツコムは、この技術検証を踏まえ、他の業務への生成AIの適用も引き続き検討していく。

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