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がん研究会有明病院、各診療科の医療情報をリアルタイムに連携させて、病理検体のトレーサビリティシステムを構築

2024年3月4日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

公益財団法人がん研究会 有明病院(東京都江東区)は、各診療科の医療情報をリアルタイムに連携させたうえで、病理検体のトレーサビリティ情報を記録するシステムを構築した。「いつ、だれが、どこに運び、だれが受け取ったのか」を正確に把握できるようになった。医療情報連携システムを提供し、トレーサビリティシステムを共同で開発したインテックが2024年3月4日に発表した。

 東京都江東区の公益財団法人がん研究会 有明病院は、がん診療に特化した医療機関である。がん診療関連の病理診断を年間4万件近く実施し、各診療科で検体を採取して病理部門に集約している。

 医療事故や医療過誤を防ぐ医療安全の観点から、病理検体を「いつ、だれが、どこに運び、だれが受け取ったのか」というトレーサビリティ情報を正確かつ効率よく把握するシステムを必要としていた。

図1:病理検体のトレーサビリティ情報を記録するシステムの概要図(出典:インテック)
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 そこで同病院は、各診療科の医療情報をリアルタイムに連携可能な仕組みとして、インテックの医療情報連携システムを導入。米国のHL7協会が開発した、Web通信を介して医療情報を交換する「FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)」規格に準拠したシステムである。そして、同システムをベースに、病理検体のトレーサビリティ情報を記録するシステムを構築した(図1)。

 データ連携の段階で、電子カルテと部門システムの医療データをFHIR形式に変換し、集約して保存する。これにより、アプリケーションやWeb画面からトレーサビリティ情報を参照/更新できる。他の物品搬送業務への適用や、他院へのデータ連携への展開も可能としている。

 システム構築の主な成果として、病理検体のトレーサビリティ情報をリアルタイムで把握できるようになった。これにより、検体を効率よく確認できるほか。病理検体の所在が不明になるリスクも減ったという。

 開発にあたっては、クライアント機能の開発をがん研有明病院が、サーバー機能の開発をインテックが担当した。サーバー機能は、データ連携にFHIRを採用することで、業務要件に影響されない汎用的なモジュールを構築。一方、クライアントアプリケーションは、プロトタイプを作りながらイメージを共有しながら構築した。

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