[イベントレポート]

ITビジネス研究会が例会を開催、中堅・中小ベンダーの生き残り策を考える

2012年12月17日(月)IT Leaders編集部

ITビジネス研究会は2012年12月11日、例会を開催し、会員企業の担当者40人が参加した。同会は、新サービスや新しいビジネスモデルの研究を通じて中堅・中小のITベンダー支援している任意団体。現在の会員企業数は25社である。

 例会では、NTTデータ経営研究所パートナーコンサルティング事業部門長である三谷慶一郎氏と、本誌米国特派員である米Just Skill代表の山谷正己氏が講演した。


写真1:三谷慶一郎氏による熱のこもった講演

 最初に登壇した三谷氏(写真1)は、「IT企業の活性化に向けて-労働集約産業から知識集約産業へ-」と題し、日本のIT業界が抱える課題と解決策を論じた。同氏は低調が続く国内IT投資動向に触れ、その理由を「投資の大半は自動化・省力化を目的としており、新たなサービスやビジネスモデルを構築する“攻め”のIT投資は伸びていない。このため、経営層がITの効果を実感しにくく、コスト削減の対象とみなしてしまう“ネガティブスパイラル”が起きている」と分析。加えて、「業務や職務の定義があいまい」「例外処理が多い」といった日本企業の特性が、システム開発を複雑にしていると指摘した。

 上記の構造的な問題をベンダーが乗り越える策として同氏は、能動的な提案力の向上を挙げた。具体的には、上流工程を変革することを推奨する。「従来のようにRFPを起点に開発作業を始めるのではなく、課題を発見することから始める。その際、現場に入り込んでフィールドワークを実施し、その内容を記述するエスノグラフィーの手法が有効」という見解を示した。


写真2:本誌米国特派員である山谷正己氏による講演の模様

 続く山谷氏(写真2)の講演テーマは「クラウドサービスとサービスマネジメント」。米国において、クラウドサービスを集約したポータルサイトを運営し、契約仲介や一括請求などを引き受ける「クラウドサービスブローカー(CSB)が多数登場していることや、様々なWebサービスがAPIを通じて結びつき、新たなビジネス価値を生み出すAPIエコノミーが立ち上がってきたことなど、最新の米国事情を紹介した。

 同氏は、クラウド時代における国内ベンダーの課題にも言及した。「人月ベースの契約が、ベンダーに不毛な価格競争をもたらしている。ピラミッド型の業界構造も相変わらず。そのしわ寄せを受けているのは現場のエンジニアだ。IT業界は今や5Kとも言われ、敬遠する学生も多いと聞く」と述べ、「米国では、エンジニアの作業時間に応じて対価を支払う人時契約が主流だ。時間単位のプロジェクト管理を可能にするPSA(Professional Service Automation)ツールも普及しつつある。日本のITベンダーも見習うべき。経産省の指導があってもいいくらいだと思っている」と強い危機感を示した。

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