“ビッグデータ”というほど大規模ではないものの、企業が日々の業務で獲得・蓄積する大量のデータ。その分析や活用は、できているだろうか?――。この問いに自信を持って「Yes!」と回答できる企業は少数派だろう。

日本データマネジメントコンソーシアムが2013年1月に実施した調査によると、「データ分析や活用は重要であるとの認識が全社に浸透しており、実践している」企業はわずか7.8%。逆に「データ分析や活用が重要であるとの認識は必ずしも広がっておらず、実践している部門は多くない」企業が44.5%を占めるのだ。
1990年代のデータウェアハウス(DWH)、2000年前後のデータマイニング、2000年代半ばのBI(ビジネスインテリジェンス)やBA(ビジネスアナリティックス)、そして最近のビッグデータ。こういったデータ分析/活用のトレンドを経てなお、このレベルに留まっている実情をどう考えればいいのだろうか。
「データの分析や活用は必要ない」、あるいは「優先度が低い」と、企業が考えているわけではない。消費者や顧客のニーズが目まぐるしく変わる中、むしろデータに基づいて仮説を導出し、実践して検証するためにデータ活用の意味は大きくなっているはずだ。
この”矛盾”について、BI/BAに詳しい三菱総合研究所の百瀬公朗コンサルティングディレクターは、こう解説する。「データを重視しない社風やビジネス慣習も影響していますが、実はそれ以上にデータ分析や活用のIT環境を整備する際に見落とされがちな問題、つまり壁があります。この壁のためにデータ活用が進まず、お金をかけて構築・整備した分析環境も十分に生かされないまま、単なるレポーティング手段になってしまっている。それ理想と現実の乖離が大きい原因です」。
そんな中、前田建設工業が「Data Integrator(DI)」というソフトウェアを製品化した。百瀬氏の指摘する壁を、乗り越えられるポテンシャルというか、コンセプトと機能を備えているのが特徴だ。少し前置きが長くなったが、そもそも「壁」とは何か、そしてDIとはどんなツールなのかを紹介しよう。