[事例ニュース]

「事例しか話さない」セミナーをMIJSが開催──日本瓦斯、地盤ネットの取り組みを紹介

2015年7月16日(木)杉田 悟(IT Leaders編集部)

 「企業の導入事例だけにフォーカスしたセミナーをやるので見に来て欲しい」──。日本の有力ソフトウェアパッケージ・ベンダーが集まって組織するメイド・イン・ジャパン・ソフトウェア・コンソーシアム(MIJS)の関係者から、こう誘われた。タイトルは「MIJS事例しか話さないセミナー」。MIJSへの期待、それに普段あまり目にする機会のない中堅・中小企業も含めた事例を25件発表するといううたい文句に惹かれて出かけてきた。

 

地盤ネット:基盤ツールで社内外を一気通貫に

 次に住宅などの用地の地盤調査を請け負う、地盤ネットという企業の例。2008年に設立された同社は、住宅メーカーや建設会社の申し込みを受けて地盤調査を行い、解析を実施。さらに証明書を発行する業務を行っている。このために同社は「スマート地盤システム」と呼ぶ調査の申し込み、解析結果や証明書ダウンロードなどを、顧客が自らWeb経由でできるシステムを構築・運用してきた。

 顧客から見ればWebで必要なことができる便利なシステムだが、実は地盤ネットの社内業務と連携していないという問題があった。調査件数が少なければ問題にならないが、「年200%の成長」(同社)という業容の拡大にはついていけない。そこで関係各社を含めたすべての業務を一気通貫でき、また情報セキュリティや内部統制も遵守できるシステムにアップグレードすることにした。

 その基盤ツールとして選択したのがNTTデータイントラマートのシステム共通基盤「intra-mart」である。ワークフロー機能が強みで、地盤ネットから外部業者への依頼や報告のプロセスなどをIT化するのに適している。「住宅地盤業界のIT化を推進するため、新スマート地盤システムを7月21日に稼働させる」という。

 「MIJS事例しか話さないセミナー2015」では、ほかにもニコン(電通国際情報サービスの設計・開発見えるツールを導入)や、LIXIL(SHIFTのソフトウェアテストサービスを導入)、NTTエレクトロニクス(ナレッジスイートの顧客管理CRMを導入)、楽天生命保険(システムエグゼのテストデータ作成ツールを導入)などの事例が紹介された。

3つの会場に分かれ計25のセッションが行われた

 25分という短めのセッションのため、質疑応答の時間が取れなかったことは致し方ない。それならば、例えばユーザー企業はほかにどんなツールを検討したのか、導入にあたってどんな体制を組んだのか、おおよその費用はどの程度だったのか、あるいは生じた課題や問題には何があったのかといった、ユーザーが知りたがる必要最低限のポイントをすべてのセッションで抑えておくといった配慮があれば、セッション参加者は一通りの情報を得ることができたはずだ。

 実際のユーザー企業の登壇が25セッション中10セッションしかなかったのも残念なことの1つ。残りはMIJSに参加するベンダー企業がユーザーに代わって事例を紹介するものだったのだ。「事例しか話さない」という点に嘘はないにせよ、ベンダー自らが話すとなれば、課題や問題に言及しないのは当然だろう。

 セミナーの構成が「CRMツール」「業務支援ツール/基幹システム」「開発支援ツール」とツールの性格によって3つの会場に分けられ、同時にセッションが行われたのも問題かも知れない。そうではなく、ユーザー企業の業種や規模別などで会場を割り振っていれば、より聴きやすいセミナーになったのではないだろうか。

 MIJSと言えば周知の通り、「日本発のソフトウェアを世界へ」といった理念のもと発足した団体。サイボウズ、インフォテリア、エイジアといった企業が参加しており、ITと経営が一体化しつつある今こそ、より大きな存在感を発揮して欲しいと筆者は期待している。事例を紹介するというセミナーの趣旨そのものはユーザーの関心にも合致するだけに、煮詰め不足が惜しまれる。
 

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