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レノボ、ハイパーコンバージドインフラにVMware vSAN版を追加

2017年12月13日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

PCサーバーベンダーのレノボ・エンタープライズ・ソリューションズは2017年12月13日、HCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)アプライアンス製品の新製品として、分散ストレージソフトに「VMware vSAN」を採用した「Lenovo ThinkAgile VX」を発表、同日提供を開始した。価格(税別)は、サーバー3台の最小構成で780万円から。

 レノボは今回、HCIアプライアンスの選択肢を増やした。これまでは、2016年1月から、米Nutanixのソフトウェアを採用した「Lenovo ThinkAgile HX」(旧称は「Lenovo Converged HX」)を提供してきた。今回、Nutanix版に加えてVMware vSAN版(Lenovo ThinkAgile VX)を選べるようにした。

写真1:「Lenovo ThinkAgile VX」の外観(上から、VX3320、VX5520、VX7250)写真1:「Lenovo ThinkAgile VX」の外観(上から、VX3320、VX5520、VX7250)
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写真2:レノボ・エンタープライズ・ソリューションズでソリューション・セールス本部に在籍する早川哲郎氏写真2:レノボ・エンタープライズ・ソリューションズでソリューション・セールス本部に在籍する早川哲郎氏
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 Nutanix版に加えてVMware vSAN版を提供する背景について同社ソリューション・セールス本部の早川哲郎氏は、VMware vSANのユーザーが増えていることを挙げる。「グローバルで1万社以上がVMware vSANを導入済み。以前は米NutanixがHCIでナンバーワンだったが、現在ではVMware vSANが拮抗している」(同氏)。

 VMware vSANは、米VMwareのサーバー仮想化ソフトであるVMware ESXiに組み込まれた分散ストレージソフトである。このため、Lenovo ThinkAgile VXは、サーバー仮想化ソフトにVMware ESXi、分散ストレージソフトにVMware vSANを使ったHCIの構成となる。

 これに対してNutanix版のLenovo ThinkAgile HXは、Nutanixの分散ストレージソフトと組み合わせるサーバー仮想化ソフトの選択肢が3つある。Nutanix製でKVM(Kernel-based Virtual Machine)をベースとしたAHV(Acropolis Hypervisor)のほか、VMware ESXiやHyper-Vを選択できる。

図1:「Lenovo ThinkAgile HX」(Nutanix版)と「Lenovo ThinkAgile VX」(VMware vSAN版)の主な違い(出典:レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ)図1:「Lenovo ThinkAgile HX」(Nutanix版)と「Lenovo ThinkAgile VX」(VMware vSAN版)の主な違い(出典:レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ)
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 Lenovo ThinkAgile VXのハードウェアは、ストレージ容量やI/O能力が異なる3つのモデルから、要件に応じて選択できる。(1)「VX3320」は基本モデルであり、1U大に2.5型ドライブ×10基を搭載。(2)「VX5520」はストレージ大容量モデルであり、2U大に3.5型ドライブ×14基を搭載。(3)「VX7250」はI/O性能が高いモデルであり、2U大に2.5型ドライブ×24基を搭載。

 Lenovo ThinkAgile VXに合わせて、レノボのシステム管理ソフト「XClarity」とVMwareの管理ソフト「VMware vCenter」を連携させるためのモジュール「ThinkAgile XClarity Integrator for vCenter」も新たに用意した。これにより例えば、ハードウェア障害の予兆をvCenterに伝えて仮想サーバーを別のノードに退避させる、といった運用ができるようになる。

Nutanix版HCIのラック構成モデルも用意

 Nutanixのソフトウェアを採用したHCI製品のラインアップも拡張した。既存のHCIアプライアンスであるLenovo ThinkAgile HX、ノード同士を接続するためのネットワークスイッチ機器、ラック、システム管理ソフト「Lenovo XClarity」などをキッティングしたラック型のシステム製品「Lenovo ThinkAgile SX for Nutanix」である。

図2:HCIをキッティング済みのラック構成で提供する「Lenovo ThinkAgile SX for Nutanix」のメリット(出典:レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ)図2:HCIをキッティング済みのラック構成で提供する「Lenovo ThinkAgile SX for Nutanix」のメリット(出典:レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ)
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 42Uのフルラック構成(Lenovo ThinkAgile HX×4~32台)または25Uのハーフラック構成(Lenovo ThinkAgile HX×4~16台)で提供する。ネットワークスイッチは、Lenovo G8052(管理LAN)×1、Lenovo G8272またはLenovo NE1072T(ユーザーLAN/ストレージLAN)×2。

 ラック単位で提供するメリットは、ネットワークスイッチを含めたケーブル敷設やラッキングをまとめて提供できることである。「導入時のオンサイト作業を60%削減できる」(早川氏)としている。

 ラック構成モデルの提供に合わせて、Nutanixの管理ソフトであるNutanix Prismと連携するエージェント機能をネットワークスイッチに搭載した。これにより、仮想サーバーの追加/削除時やvMotionによる仮想サーバーの移動の際に、VLAN情報をスイッチのポートに反映できるようになった。

 さらに今回、システム管理ソフトであるXClarityと、Nutanix Prismを連携させるモジュール「ThinkAgile XClarity Integrator for Nutanix」も用意した。vCenter向けと同様に、ハードウェア監視データを基にして仮想サーバーを制御するといった連携ができるようになった。

 Lenovo ThinkAgile SX for Nutanixのモデル名称は、「Lenovo ThinkAgile SXN3000シリーズ(42Uラック構成)」と「Lenovo ThinkAgile SXN3000シリーズ(25Uラック構成)」である。価格は、HCIアプライアンス4台を搭載した最小構成で1500万円から。

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