[ユーザー事例]

DeNA、クックパッド、メルカリなどネット企業10社が社内ITを公開、Slackが大人気

2018年3月26日(月)田口 潤(IT Leaders編集部)

2018年3月中旬、ネット企業10社のシステム責任者が集まり、各社の社内ITに関する取り組みを互いに披露し合うセミナーが開かれた。DeNA、クックパッド、DMM.comラボ、グリー、LINE、ヤフー、メルカリ、ミクシィグループ、楽天、リクルートテクノロジーズが登壇。各社がどんな方針でどんな技術や製品、サービスを使っているか、あるいはどんな悩みに直面し、どう乗り越えているかなどを明らかにした。

 「事業の上では我々は競合関係にあります。しかし、こと社内ITに関してはノウハウを共有して、業界の生産性を高める方がいい。非競争領域ですから。さらに他の業界にも役立つと思い、業界を問わず広くお声掛けしました。今後も情報共有を進めていきます」──。2018年3月中旬、ネット企業10社のシステム責任者が集まり、各社の社内ITに関する取り組みを互いに披露し合うセミナーが開かれた(写真1)。

写真1 10社 社内IT施策 共有会の様子
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 冒頭の言葉は、呼びかけ人である成田敏博氏(DeNA経営企画本部IT戦略部部長)が語った開催主旨である。「1年前ほど前から同業他社を訪問し、情報を交換してきました。とても有益な情報を得られましたので、もっと深追いをして仕組み化したいと考えました。それで半年ほど前に10社と飲み会をし、その場で今日のセミナーに賛同していただきました」というわけだ。

 セミナーの名称は「10社 社内IT施策 共有会」。DeNA、クックパッド、DMM.comラボ、グリー、LINE、ヤフー、メルカリ、ミクシィグループ、楽天、リクルートテクノロジーズが登壇(表1)。各社がどんな方針でどんな技術や製品、サービスを使っているか、あるいはどんな悩みに直面し、どう乗り越えているかなどを明らかにした。筆者の知る限り、ありそうでなかったセミナーである。

表1 10社 社内IT施策 共有会のプログラム
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 合計3時間のセミナーにおける1社あたりの持ち時間は15分(ヤフーは本社移転の際のITに関わるエピソードに焦点を当てたライトニングトークの位置づけで10分)。到底、各社の取り組みの全体像を知ることはできないし、リクルートテクノロジーズのように歴史があるところと、そうでないところの社内システムの取り組みを同列に見ることもできない。そこで各社が披露したことの概要を表に示した。

 例えばDeNAは社内ITに関して、2017年に取り組んだことと2018年に取り組むことに焦点を合わせた。2017年から本格的に活用し始めたRPAや請求書をはじめとする社外との文書授受を電子化する取り組み、人事や総務、ITなどに関する従業員からの問い合わせ業務をAIチャットで効率化することなどである。ただし単なる業務効率化ではない。「DeNAでは”ネットやAIを活用して世の中にデライトを届ける”というビジョンを掲げています。喜びや驚きを意味するデライト(delight)という言葉が大事であり、社内ITもこれに則っています」と、従業員にデライトを届けるのが目的という。

 またクックパッドは、過去に実施した事業多角化に伴いサイロ型のシステムが乱立する状況を、いかに乗り越えようとしているかを説明。そのために海外で多く使われているサービスや製品──Workday、ServiceNow、Salesforce、Informatica Cloud、Azure AD、Tableauなど──を活用して、システム刷新や統合を進めていることを明らかにした。システム刷新というだけでなく、事業のグローバル展開をサポートするのが主要な目的の1つである。

 このほかの各社による発表概要は表2を見ていただくとして、いくつかあった共通点について触れておこう。まず企業ソーシャルツールへの関心の高さである。特にSlackには10社中7社が言及し、メルカリのように”Slack文化”を紹介するところもあったほどだ。ワークフローや問い合わせ回答をSlackで行うなど、社内インフラとして定着させた企業もある。「ネット企業において電子メールは、もはや過去の遺物」といった感さえあった。

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