[オピニオン from CIO賢人倶楽部]

これからのCIO/IT部門には多様性と好奇心が必須

2018年5月7日(月)CIO賢人倶楽部

「CIO賢人倶楽部」は、企業における情報システムの取り込みの重要性に鑑みて、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)同士の意見交換や知見を共有し相互に支援しているコミュニティです。IT Leadersは、その趣旨に賛同し、オブザーバとして参加しています。同倶楽部のメンバーによるリレーコラムの転載許可をいただきました。順次、ご紹介していきます。今回は、日本たばこ産業株式会社 IT部 CIOグローバルオフィス担当部長を務める引地久之氏のオピニオンです。

 多様性というと、これまでは人種や思想、文化、性別、趣味嗜好などの観点が主だった。近年はESG(Environment、Sustainability、Governance)、働き方、生き方満足度、地政学的リスク、エコロジー対応、社会貢献なども加わり、多様性がある意味、多面性へと変わってきたように思える。

 コアな企業活動はどうか? サプライチェーンのグローバル化、マーケットのボーダレス化が進む中でも、これまではコスト最適を背景にした先進国思考がベースにあったと思われる。しかしながら、ここ数年の劇的な環境進化、変革スピードの加速、多面性進化によって、それらをも包含するビジネスプラットホームとしてのテクノロジとの融合、ビジネスの能動的変化が不可避的に求められるようになり始めた。 

 ITも同じである。既存システムの安定運用や継続的な改善を当然としながら、先端技術の活用を進め、ビジネスに貢献するミッションがベースであることは変わらない。だが変化が激しく、不確実で、複雑性に満ち、暖昧性が増す"VUCA"と呼ばれる時代においては、自らの成功したビジネスの破壊的な創造をも求められる。そんな流れの中で、そしてビジネスのデジタライゼーションを牽引する過程で、いかに多様化する環境においてITを可用するかのステージに入ったと思う。

 そこでは様々なオープンソース・ソフトウェア、AIやIoTなどの先進技術、XaaSなどと、レガシーシステムとのハイブリッドを考慮した多様化環境が必然的になる。だとしても、言わなくても分かるHIGH CONTEXT(例えばコアシステム)と、緻密なコミュニケーションが必須のLOW CONTEXT(例えばアジャイル開発)のミックスは回避することが望ましい。多様化といえども、根幹で常に考えなければならないのは簡素化、最適化だからである。

 いかにシンプルに、これまでの制約に縛られずに思考し、ITを進化させるか? そのためには意識して、常に「ゆとり」を持つようにマインドセットを維持することが必要である。当たり前と言われるかも知れないが、これが以外と難しい。ではどうするか? 「ゆとり」は知見、知識の事前把握があってこそ、生まれるので、好奇心が動機付けになると筆者は思っている。多方面にアンテナを張り、内外のIT技術の情報を集め、面白そうな技術やアーリーアダプタ(初期導入企業)がいる技術を調査し、可能であれば、まずはPoC(概念実証)を実施してみることだ。 

 もちろんPoCで終わってしまったり、環境不適合や想定機能の乖離などあってダメになる場合も少なくないだろう。しかしトライ&エラーの数こそが重要な知的在庫になる。ITの進化は留まることがなく、それゆえチャレンジニングな領域でもある。多面的環境の多様化、ITの多様化を融合させつつ経営貢献するためには、何か面白いものがないか、活用できるものはないかと好奇心を維持し続けることが欠かせないのだ。忘れることなく実践し続けたいものである。

日本たばこ産業株式会社
IT部 CIOグローバルオフィス担当部長
引地 久之

※CIO賢人倶楽部が2018年5月1日に掲載した内容を転載しています。

CIO賢人倶楽部について

大手企業のCIOが参加するコミュニティ。IT投資の考え方やCEOを初めとするステークホルダーとのコミュニケーションのあり方、情報システム戦略、ITスタッフの育成、ベンダーリレーションなどを本音ベースで議論している。
経営コンサルティング会社のKPMGコンサルティングが運営・事務局を務める。一部上場企業を中心とした300社以上の顧客を擁する同社は、グローバル経営管理、コストマネジメント、成長戦略、業務改革、ITマネジメントなど600件以上のプロジェクト実績を有している。

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