[市場動向]

広島県、AIやIoTなどの実証実験の場「ひろしまサンドボックス」を始動

渋谷区、ソフトバンク、NTT西日本がパートナーで参画し、共創型イノベーションを促進

2018年5月24日(木)齋藤 公二(インサイト合同会社 代表)

「イノベーション立県」を掲げる広島県。その一環として同県が取り組む、AIやIoT、ビッグデータなど先端テクノロジーの高度活用を促進するためのプロジェクトがある。官民共同で運営するオープンな実証実験の場「ひろしまサンドボックス」だ。その説明会が2018年5月17日、東京都渋谷区のイベントスペースで開催された。

 「ひろしまサンドボックス」とは何か。発表会のステージには、広島県知事の湯﨑英彦氏、自治体として協業する渋谷区長の長谷部健氏、事業パートナーであるソフトバンク代表取締役副社長 執行役員兼CTOの宮川潤一氏、NTT西日本 取締役 中国事業本部長の永野浩介氏の各氏が登壇。その狙いや意図を解説した。

写真1:広島県知事の湯﨑英彦氏

 まず、湯﨑氏(写真1)が広島県の県内総生産が名目で前年比プラス11.4%であり、伸び率では全国1位と、県の経済が好調であることを紹介。その一方で、少子高齢化を含むさまざまな課題もあることから、さらなる成長に向けて「イノベーション立県」を旗印に、IT活用を中心とした取り組みを積極的に進めていると話した。

 具体的には、これまでにイノベーション創出拠点「イノベーション・ハブ・ひろしまCamps」や、CAE(Computer Aided Engineering:設計・開発支援システム)やスーパーコンピュータの提供、MBD(Model-Based Development:モデルベース開発)の人材育成研修を行う「ひろしまデジタルイノベーションセンター」といった拠点を設けて活動を続けてきた。それらに、今回新たな取り組みとして加わるのがひろしまサンドボックスだ。

「共創で何でもできるオープンな実証実験の場」を目指す

 その狙いについて湯﨑氏は、「平成30年度から3年間で10億円規模の投資を行い、県外からも多様な企業や人材を呼び込み、叡智を結集することでさまざまな産業、地域課題の解決に取り組む予定です」と説明。すでに出来上がっているものではなく、これまでにない新しいソリューションを作っていくことを目指していくとした。

 呼称の「サンドボックス(砂場)」はこの取り組みのコンセプトを表している。AIやIoT、ビッグデータなどの最新技術を活用して、「作っては馴らし、みんなが集まって、砂場のように試行錯誤できるような、共創で何でもできるオープンな実証実験の場」(湯崎氏)を構築するという(写真2)。

写真2:ひろしまサンドボックスのコンセプト
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 将来的には、異なるプラットフォーム間での有機的なデータ結合を行う新しいサービスの創出を目指す(写真3)。そのためにソフトバンクやNTT西日本ら民間企業が提供するIoTプラットフォームや、産業や地域ごとに利用されているIoTプラットフォームを連携し「データ連携基盤」(仮称)を構築し、スマート観光、防災インフラ管理、AI製造業、スマート農林水産業、働き方改革などに活用していく。

写真3:ひろしまサンドボックスの将来像
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 広島県は、取り組みの推進団体として、ひろしまサンドボックス推進協議会を設立。同県が公募するプロジェクトごとにコンソーシアムを組成して、情報の共有、コミュニティ形成、企業間のマッチングなどを行っていく(写真4)。2018年6月から第1次公募、9月から第2次公募を開始し、7月、10月にそれぞれ実証実験を実施していく計画だ。湯﨑氏は「広島県をまるごと実験フィールドにして、みんなでトライしてほしいと思います」とアピールした。

写真4:ひろしまサンドボックスの将来像
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