[オピニオン from CIO賢人倶楽部]

今、改めて考える「CIOという職務」の本質

2018年6月18日(月)CIO賢人倶楽部

「CIO賢人倶楽部」は、企業における情報システムの取り込みの重要性に鑑みて、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)同士の意見交換や知見を共有し相互に支援しているコミュニティです。IT Leadersは、その趣旨に賛同し、オブザーバとして参加しています。同倶楽部のメンバーによるリレーコラムの転載許可をいただきました。順次、ご紹介していきます。今回は、CIO賢人倶楽部で会長を務める木内里美氏のオピニオンです。

 CEOやCOO、CIOといった、いわゆるCxOという職務は法律的に何らかの定めがあるわけではない。責任者の呼称に過ぎず、職務に応じて様々なCxOがある。日本でCxOを耳にするようになったのは世紀を跨ぐ2000年前後であり、ソニーが1997年に執行役員制度を初めて導入したのが始まりとも言われている。

 その執行役員制度は、経営(意思決定と執行監視)と事業の執行の役割を分離するという米国流のコーポレート・ガバナンス(企業統治)に由来している。CxOは経営側の取締役にも事業側の執行役員にも適用される呼称である。現にCEO(最高経営責任者)やCOO(最高執行責任者)などは取締役が担うことが多い。

 コーポレート・ガバナンスは米国が発祥で、企業不祥事の防止と競争力の強化という2つを目的としている。しかし、21世紀に入ってすぐに米国ではエネルギ-会社のエンロンや通信のワールドコムの粉飾決算が相次ぎ起こり、日本でも西武鉄道やカネボウ、ライブドアの有価証券報告書虚偽記載が連鎖現象のように起こった。

 コーポレート・ガバナンスへの信頼性が薄らぎ、米国ではサーベンス・オクスリー法(SOX法)が、日本では金融商品取引法(日本版SOX法とも呼ばれる)や会社法が制度化され経営の監視機能が強化された。それでも米国では2008年9月のリーマンブラザースの経営破綻に端を発する世界経済に大打撃を与えた金融危機が発生し、日本でもオリンパスの粉飾決算や東芝の不正会計処理、神戸製鋼所のデータ改竄など不祥事は止まることがない。この事実からコーポレート・ガバナンスの目的の1つである不祥事の防止には、CxOや執行役員制度は無力であると考えたほうがいい。

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