[市場動向]

富士通と理研、ポスト「京」のCPUを試作し機能試験を開始、ARMアーキテクチャを採用

2018年6月21日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

富士通と理化学研究所は2018年6月21日、スーパーコンピュータ「京」の後継機の中核となるCPUの試作チップを完成し、機能試験を開始したと発表した。CPUの試作チップにおいて初期動作を確認したことで、システム開発における重要なマイルストーンを順調にクリアしたことになるとしている。

 富士通と理化学研究所は、2006年からスーパーコンピュータ「京」を共同で開発し、2012年から運用を開始している。2014年10月からは、「京」の後継機としてポスト「京」の試作と詳細設計を進めている。ポスト「京」の特徴の1つは、より幅広いユーザー層による利用を想定し、SPARCに代わってARMアーキテクチャを採用したこと。

 ARMアーキテクチャを採用した上で、スーパーコンピュータ向けに新たに策定した拡張命令を実装している。さらに、現行の「京」と同様に、大容量データをメモリーからCPUに高速に転送できるように高いメモリーバンド幅も確保した。また、コンピュータシミュレーションなどで重要となる倍精度演算に加え、ディープラーニングなどで重要となる半精度演算の性能も確保した。

 プログラム開発環境を含むシステムソフトウェアは、「京」と互換性のあるものを富士通が継続して提供する。言語仕様とマイクロアーキテクチャに継続性があることにより、「京」で蓄積されたプログラム資産は、リコンパイルすることでポスト「京」の上でも動作する。また、理研で開発しているシステムソフト(「McKernel」、「XcalableMP」、「FDPS」)も利用できる。

ポスト「京」の主な仕様
項目 内容
CPU 命令セットアーキテクチャ Armv8-A SVE(512bit)
コア数 計算ノード: 48コア + 2アシスタントコア
I/O兼計算ノード: 48コア + 4アシスタントコア
インターコネクト内蔵 Tofu(6D Mesh/Torus)
システム構成 ノード 1CPU/ノード
ラック 384ノード/ラック
ソフトウェア OS Linux(RHEL系)+McKernel(Lightweight Kernel)
システムソフトウェア FUJITSU Software Technical Computing Suite後継
グローバルファイルシステム FEFS(Lustreベース)
言語 FUJITSU Software Technical Computing Language後継(Fortran/C/C++、OpenMP、MPI)、XcalableMP
ライブラリ・フレームワーク FDPS(Framework for Developing Particle Simulator)
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