[調査・レポート]

第4次産業革命の実現は地方から!天草市が展開する地方版DXを支援するジャパンシステム

2019年3月15日(金)奥平 等(ITジャーナリスト/コンセプト・プランナー)

ジャパンシステムは、2018年4月に熊本県天草市と協定を締結し、「地域創生型研究開発センター」を開設している。地域人材の雇用、地域社会との交流を通じて天草市が直面している課題を抽出するとともに、自社のICT技術を活用することで、実証的手法に基づいた解決策を提示・実践するための拠点だ。そこでは当然、AI・RPA ・IoTなどといった最先端技術の活用が不可欠として、「Made in AMAKUSA」を合言葉に地域社会の自立的・持続的な経済循環・共生システムの実現に取り組んでいる。ジャパンシステムは、天草の研究開発センターで実用性・機能性を確立した上で、地域の共通課題に対するソリューションを全国展開していこうとしている。

地方のDXから「第4次産業革命」のスタートを切る

 AIを基軸に、IoT、ナノテクノロジーなど、さまざまな先進技術の間の垣根を越えた技術融合による「第4次産業革命」が強烈なインパクトで迫っている。米国などでは、GoogleやAmazon 、Microsoft といった巨大 IT 企業の研究所が、 スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学など、これまで華々しい成果を上げてきた主力大学の研究機関を凌駕する規模で、これらの基礎研究に臨んでいる。

 その中で国際競争力を維持・強化していくことを目的に、日本では現在、経済産業省と文部科学省の共管で、「理数系人材の産業界での活躍に向けた意見交換会」を実施し、将来へ向けての施策策定を急ピッチで進めている。

写真1:コミュニケーション重視に設計された「地域創生型研究開発センター」のオフィス風景

 一方、「第4次産業革命を地方から」と叫び、独自の展開で次なる時代の創生に挑んでいるのが、自治体向けソリューションを展開するジャパンシステムである。天草市に「地域創生型研究開発センター」を開設し、行政・企業・教育機関・住民と連携しながらICTを活用して新たな価値を創出して地域に貢献するとともに、それをベストプラクティスに横展開を行い、全国の地域が抱える共通課題の解決にチャレンジしていこうとしている。

 総務省ではこれまで、行財政基盤の強化を目的に「市町村合併後の自治体数1,000を目標とする」という方針を推進、市町村数は3,232から1,760まで1,500近く減少したものの、目標には届かなかった。1,760ある市町村のうち、約60%が人口5万人以下の自治体であり、人口減少、少子高齢化、産業の衰退など、共通する課題が山積していることは、想像するに難くない。そこで、多くの自治体にソリューションおよびサービスを提供してきたジャパンシステムが、使命感を持ってICTによる自治体変革を促していこうというわけである。

 いうなれば、2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念を踏まえて、現在、経済産業省が省内で推し進めている「デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation: DX)」の地方行政版ともいえる。

 その中にあって、同社代表取締役社長の井上修氏は、次のように言い切る。
「確かに国策としての“第4次産業革命”には、エッジの効いた天才的なデータサイエンティストの存在は不可欠。しかしながら、ITを“人間の生活を良くするための道具”として考えるのであれば、優れたアルゴリズムを創出することのみならず、それらを利用して現場密着型で利活用していく人材を育てていくことも大切」

 確かに我が国が抱えている課題の多くが、「東京一極集中」に伴う地方の疲弊に起因していることも事実である。それだけに、地方の共通課題を克服・解決していくことも、重要な国策の1つと言える。天草市における「地域創生型研究開発センター」の試みは、その延長線上にあると言える。

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